アイアンマン(Iron Man)

IRON MAN

アイアンマンIron Man/ジョン・ファヴロー/2008年/アメリカ


アンパンマン「ぼく、アイアンマン!」

トニー・スタークは、子供の頃から天才で、はたちそこそこで兵器会社の社長になって、超金持ちで、女にもモテモテで、行動が行き当たりばったりの思いつきで、無茶なことも全部成功させちゃう、めちゃくちゃな人。
IRON MAN
こんな人、わたしのようなしょぼくれた庶民には、絶対解り合うことなんかのできない人だと思う(でも目の前に現れたら、格好良すぎて絶対ついていってしまう(そして朝になってつまみ出される。

わかんないよね、こんな人の気持ちとかさ。でも、だからヒーローなんだよ。
パワードアーマー着てても着てなくても、みんな敵わないでしょ。

何が良いって、結局トニー・スタークは超孤独なんだけど、それをセンチメンタルに描いたりしないところ。悩まない。悩まない人は強い。躊躇しないから。

パワードアーマー開発のところがすごくいい。不器用アーム超かわいい。
高そうな車を停めてるすぐ脇で、不安定な飛行実験やっちゃう後先の考えなさがいい。そのとき天井に空けた大穴を放置してるところがいい。
パワードアーマー着るところがいい。しゃきーんしゃきーんって細かく動くのがいい。

離着陸のときのポーズがいい。かわいい。でもテロリストが襲った村に現れるときはかっこつけて着陸するのがいい。子供が見てるから気合い入れたんだね。
あの村ってインセンのいた村だと思うけど、そこでセンチメンタルなあれこれがなかったってのもいいよね。あのシーンの頃になると、インセンのこと、忘れてたもの…。

IRON MAN
結局のところ、最後まで問題が「会社内でのゴタゴタ」だったってところがいい。世界とか人類とか地球とか平和とか関係ない。最後に戦ってた場所も、会社の敷地内とその前の道路程度だものね。あんまり大風呂敷広げすぎると大変だからね。

良かった良かったとしか言っていないけど、一番良かったのは、アーク・リアクターが一体どういう仕組みのものなのか、とか、血管浮いて麻痺させる道具の仕組みがどうなっているのか、とか、そういう説明が一切なかったところ。
これは、こういう用途のものです! それだけでいいんだよ。
アンパンマンは顔が濡れると力が出なくなるの! それと同じだよ。

ペッパー超かわいい、結局キスシーンなかったところがいい。歩き方がなんとなくちまちましててかわいい。パーティーのとき褒められて嬉しくて、次の日から髪の毛降ろして巻いてるとか、かわいい。乙女心。


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評価

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ダークナイト(The Dark Knight)/ヒーローとして死ぬか、生き延びて悪に染まるか

ダークナイト ヒース・レジャー ジョーカー

ダークナイトThe Dark Knight/クリストファー・ノーラン/2008年/アメリカ・イギリス


▼思い出すと泣いてしまう
泣く理由はそれぞれでも、映画を見て泣くことはよくある。重い内容のものなら(最近ならミストとか)、見終わったあとで友達と話し合うこともよくある。いや、重い内容じゃなくても話し合うことはよくある。わたしはそういうのがとても好きだし。
しかし今回は、なぜ泣いているのか(しかも、自分でも驚くほどの号泣)の説明ができず、見終わったあとに話し合おうとすると思い出し泣きしてしまうので、ひたすら黙り込むことしか出来なかった。

▼恐ろしく残酷で長い「どんでん返し」
途中までは、「よくあるアメコミ実写映画」の「よくある展開」で(もちろん、異常なまでに残酷なジョーカーや、重いアクションシーン、作品全体に漂う暗さなど、他に類を見ない特徴も多々あるのだが…)、物語がそろそろ収束に向かうのかな?という予感がしたとき、確かに面白いがそう特筆すべき点があるかしらん?なんて思っていた。そんな自分の考えが、まったく間違っていたことを、ほどなく痛感する。事態は突如として最悪の方向へ向かっていく。じりじりと長く、残酷な展開に、打ちのめされる。「あんまりだ」という思いでいっぱいになる。あんまりだ、こんなことって。

▼最凶であれども最狂ではない
ジョーカーは理性がない、などと言われていたが、そんなことはまったくない。ジョーカーは狂っているわけではない。本当に理性がない人は、綿密な計画を立てて犯罪を実行し、他人の心を左右するような行動を取れるわけがない。しかし…ヒース・レジャーの鬼気迫る演技が、本当は演技ではなかったのかもしれない、と思うと、なんともやりきれない気持ちにはなる。実際のところはどうなのかわからないが…。

▼「ヒーローとして死ぬか、生き延びて悪に染まるか」
フェリーは爆発しなかった。それは、この物語が絶望だけで終わるわけではないことを示唆するのだろう。
相手の船を爆破させず自分たちが死ねば、自己犠牲のヒーローになりうる。生き延びるために相手を殺せば、その瞬間から悪に染まることになる。それは、善良な一般市民だろうが、囚人だろうが同じだ。
しかしフェリーは爆発しなかった。

フェリーは爆発しなかったんだ。だから、それでも、人を信じずにはいられない。

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評価

by G-Tools , 2014/07/16



ダークナイトとバットマンの予告比較動画。


崖の上のポニョ

崖の上のポニョ

崖の上のポニョ


意味が解らない。
マインドゲームが好きな人は、ポニョも好きなんじゃないかな? って思う。
そういう、意味の解らなさ。

あのシーンは母性がどうの、このシーンは子供の成長がどうの、トンネルは産道を表していて…と意味づけを行うことは可能だと思う。もう、あっちこっちに、考えるためのネタが仕込まれているようにも見える。
でも、それがいったいなんになるの? この映画を見て、ごちゃごちゃ理屈を並べ立てて、腕組みをして納得して…。そういうの、気持ちいいってことも、解るよ。解らないものの事を考えて、自分なりの結論を出して納得することは、すごく気持ちいい。他の人と意見をぶつけ合って、テーマとか考えて。楽しいよね。わたしもよくやるよ。

でも、ポニョを見てそれをすることって、どうかな? 必要ないんじゃないかな。
したい人はすればいいし、そうすることを否定もしないけど、わたしはいらない。わたしには解らない。

「人面魚!」って言われたとたん、ああ、そっか! って思った。いいんだ、この映画は、ごちゃごちゃ考えるのやめよう、って思った。その一瞬前、「きれいな金魚ねえ」とか言ってるときには、魚に人間の顔がついていても普通に受け入れられる世界なのかなあ、って納得しようとしていた。明らかに気持ち悪い(※)のに、いいんだ…って。
その時点ではわたしにはまだ疑問があって、一生懸命世界観を受け入れようと準備してて。そんな心構えをしているところへ「ギャー! 人面魚! コワイコワイ!」なんだよ。ああ、こりゃあもう、考えるの無駄だー! って思うじゃない? 人面魚の金魚で、海に住んでるけど真水でも対応できて、魔法が使えるし、人間になる。そういう生き物で、そういう世界で、理屈なんかない。意味なんかないんだ。

赤ちゃんを目の前にしたときのポニョの反応とか、ぐずる赤ちゃんのぶっさいくなかんじとか、もう、ものすごくリアルな子供の反応だなって思う。子供のいないわたしですら、そう思うんだから、子供のいる人は、もっと現実味を帯びて感じるのかなって思う。こういう細やかなリアリティが、全体の不可思議さをいっそう強調する。内臓や血糊が良く出来ているスプラッタ映画が怖いのと一緒だと思う。

わたしがなによりも、やってくれた!! と感動したのは、半魚人状態のときのポニョの手足! いまや決して許されることのない三本指! トンネルを抜けるときの、だんだん手が「萎えていく」あの描写! こんなの、もう滅多に見られるものではない。本当によくやったなあと思う。

フジモトがグランマンマーレに逢ってから、なんかごちゃごちゃ言うじゃない。ちょっとセリフ忘れちゃったけど…。とにかく理屈っぽい説明っぽいことをごちゃごちゃ言ってるとさ、グランマンマーレが、ふわーって大きな手で包んで、黙らせてしまう。フジモトは説明要員としても居るっぽかったし、しょっっちゅうあれこれ言っていたけども、ふわーって包まれて、気持ちよさそうに黙ってしまう。ぐだぐだごちゃごちゃ考える人たちも、ふわーって包まれちゃえばいいんだと思うよ。

崖の上のポニョ
※:ポニョのデザインに関しては、いっちばん最初に出てきたときは気持ち悪いなあって思ったけど、動き始めたらすぐに可愛くて可愛くて。

あと、動きとか画面の美しさに関して何も書かないのは、もうあえて言うことないから。

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評価

by G-Tools , 2014/07/16

ゲド戦記

ゲド戦記

ゲド戦記


登場人物が、正面顔か横顔か後ろ姿しか見せない。動きの乏しさも手伝って、どうにも偽物感が漂っている。なにより、アレンの顔が怖すぎる。劇場公開時に、知り合いが「楳図かずおの絵みたいだった」と言っていて、そのときはどういうことなのか全く解らなかったのだが(だって…想像できないでしょ?)今は解る。うん、楳図かずおの絵みたいだった…。

合間合間に入るトトロのCMに心癒されました。しみじみとトトロのレベルの高さを…CMからでも漂うワクワク感を…感じずには居られない…。

テルーもアレンも暗すぎて、精神的に治療が必要な人なのか、先天的に精神の欠陥がある人なのかと思いました。特にアレンは、即入院した方がいいレベルのご病気の方なのかと…。殺人に関しても、「なんであんなことしたかわからない」とかなんとか言ってしまっていたので、これは逮捕されても心神喪失で無罪だなあと思いました。

会話らしい会話をしていないのに、突然、映画のテーマ的なものを語り出してしまうため、話の内容は良く解らないのに、「伝えたいこと」だけは解るというおかしな状態に。これが心に響く訳ありませんね。
デビルマンもそうだったように、会話をするのではなくセリフをしゃべるのはどうにもダメですね。ミュージカルならセリフでもいいんだけど。

1つだけ良かったのは、クモの腕がスパーンと飛んで、切株もちゃんと見えたことです。良い切株か? というとそうでもないけど、あるだけマシ!

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by G-Tools , 2014/07/16

ミスト(THE MIST)

The Mist

ミストTHE MIST/フランク・ダラボン/2007年/アメリカ


▽慣れとは、こうも恐ろしいものだったのか。
モンスターの造形はさほどグロテスクでもなく、目新しくもない。
他人同士が閉じ込められ、仲たがいし、協力しあい、モンスターと戦い、そして命を落とす。

どこかで見たかもしれない、よくあるかもしれない、そんな映画だ。
そんな映画のはずなのに、明らかに違う。未知のものが、見る者をじわりと襲う。

この映画のモンスターは異常に怖い。握り締めた腕に爪の痕が付いた。
そりゃ、大きくてわけのわからない生き物が襲ってきたら「怖い」のは当然だ。
でも、いろいろな映画を見て、モンスターに慣れてしまっていた。
だから海外版トレーラーを見たときも、なぁんだ、と思ってしまっていた。甘かった! 確実に不快感を煽ってくる。嫌な動きをする。

映画にはテーマがあり教訓があり、正しい人物と間違った人物がいて、真実は最終的に解り易く明らかにされる…そんな慣れ、そんな思い込み。
ミストは巧妙にそれを覆す。

誰が正しいか? 誰も正しくない。間違っていたのは? きっと全員だ。こうなった原因は? 異次元の扉? でもそれは下っ端軍人の噂でしかない。軍人が言っていたってだけで信じるの?危険だよ。
神様はいるの? ううん、神様はいない。この映画を見て、神様に逆らっちゃいけないんだねなんて言う人は、気をつけて。あなたはあの状況下に置かれたら、軍人を刺し担ぎ上げて生贄にしてしまうタイプだよ。

The Mist▽「解決法を口にする人を信じてしまう」
宗教狂いのキチガイ女は、虫に嚙まれる覚悟をするが、嚙まれない。生贄を捧げた日の夜は、彼女の言うとおりにモンスターが襲ってこなかった。偶然が重なった結果、多くの人が彼女を信じた。

主人公は、積極的に動いてみんなを率いる。薬局へ行き、犠牲者を出しつつも戻ってくる。車に乗り込み、スーパーを離れる。やはり犠牲者は出るが、主人公は無傷だった。偶然が重なった結果、多くの人が彼を信じた。観客も。

主人公がたびたび行う決断には、間違いも含まれていたはずだ。
でも、信じてしまう。だって、主人公だから。
▽本当に怖いのは人間か?
本当に怖いのは、観る者の経験から来る慣れと思い込みだ。
「本当に怖いのは人間だっていうテーマの映画だ」という思い込み。
主人公は間違わないという思い込み。子供は死なない、という思い込み。

最後、ぐったりした。悲しくて、痛みが伝わってくるようで、つらかった。
エンドロール、ヘリと戦車の音。どうにもならない、どうしようもない絶望感。
いつもなら…いつもならエンドロールでは、タイアップ曲がけたたましく流れるのに。
バッドエンドだったとしても、いつもならこんなにダメージを受けないのに。


誰も救われない。

The Mist
▽お気に入り笑いどころリスト
・最初の夜の戦闘がパニックすぎて面白かった。光を消せ!って言ってるのにバチバチつけちゃう人はいるわ、ライターの火はなかなかつかないわ、ついたらついたで燃え移っちゃうわ、もうたいへん!
・さえない中年男にかっこいい見せ場があるとときめく。射撃チャンピオン。
・薬局でのおじいちゃんおばあちゃん大活躍がステキ。特におばあちゃんかっこいい!
・ジムの頭の悪さには失笑を禁じえない。
・今日のセサミストリートは贖罪
・首吊り自殺した2人はカップルなのかとおもいました。
・牛乳飲みつつナイフを頭上に掲げてゆったりと椅子に座る宗教狂いのキチガイ女、の図がおもしろすぎた。あそこは最後の笑いどころ…。

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フランク・ダラボン
ポニーキャニオン 2009-09-02
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by G-Tools , 2014/07/16

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