「猿の惑星」シリーズ/猿は猿を殺さない

Planet of the Apes/猿の惑星

猿の惑星Planet of the Apes/監督:フランクリン・J・シャフナー/1968年/アメリカ


「猿の惑星」は、人間が猿のかっこうをしていることが重要だと思うのです。


猿の惑星:創世記(ジェネシス)」予習のためにですね、シリーズを全部見ると、全部見ようと、思いましたがちょっとズルをして1作目だけ飛ばしました。15年くらい前にですがいちおう見ていますので、それよりは、見たことのない2作目以降をね。「続・猿の惑星」「新・猿の惑星」「猿の惑星・征服」「最後の猿の惑星」と、ティム・バートン版の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」です。

Planet of the Apes/猿の惑星

いちおう1作目についてもちょっと書いておきますが、これ、ネタバレとかどうなんですかね? 「猿の惑星」の結末を知らない人っているのかな?

あらすじ:猿が人間を奴隷としてこき使っていました。

テイラー(チャールトン・ヘストン)の乗った宇宙船が惑星に不時着します。その惑星の人間は話せず、猿にこき使われたり狩られたりしている。テイラーも猿につかまってしまってほとほと困るという話ですね。

やっぱりね、この圧倒的なリアリティは、特殊メイクあってこそだと思うんですよね。


おすすめ
ポイント
結末を知らないなら、知らないうちに見たほうがいいかと思います。

ネタバレはないように書いていますが、1の結末だけはなんとなくわかるような書き方になっています。
Planet of the Apes/猿の惑星

わたしが15年くらい前に見たときは、見る前に結末を知っていたので、ラストでビックリっていうのはなかったんですよね。できるだけ何も知らぬまま見られればそれに越したことはないと思うんですよね。

でね、ひととおり続編も全部見て「創世記」も見てから言いますが、やっぱり、1作目は見なおしておいたほうがよかったかも…。


続・猿の惑星Beneath the Planet of the Apes/監督:テッド・ポスト/1970年/アメリカ


猿とミュータントが人間をいじめます。


続編があることは知ってはいたものの、なんとなく、どうでもいい感じがして今まで見ていませんでした。
そうしたら、とんでもない話ととんでもないラストでしたねー。

Beneath the Planet of the Apes/続・猿の惑星

あらすじ:もう一人の宇宙飛行士も不時着しました。

テイラーの同僚宇宙飛行士、ブレント(ジェームズ・フランシスカス)も、惑星に不時着します。そこでやはり猿が人間をこき使っているようすを目にするわけですが、前作があるせいか、その惑星がどこであるのかはかなり早い段階で明かされるんですね。

猿たちは、戦争をするだのしないだのでもめたりしている。これ反戦映画ですよね。反戦映画なんだと思うんですがラストがすごくてひっくり返りました。


Beneath the Planet of the Apes/続・猿の惑星

主人公は、幻覚幻聴で攻撃してくるミュータントに出会うんです。こいつらがすごい感じ悪くてさ、さんざんテレパシーでいやがらせしてきたあとで、「原始的な方法だが口を使って話すことにしてあげます」とか言ってくるわけ。どんだけ上から目線なのよ。

この人たちはコバルト爆弾を信仰しており、コバルト爆弾αΩ様に祈りを捧げたりしている。この人たちはべろべろと顔を剥ぐんですが、これがいったいどういう理屈でこうなっているのかよくわからないです。


Beneath the Planet of the Apes/続・猿の惑星

んで、衝撃のラストがですね、テイラーが死にそうになるのでヤケクソになってあることをする、と、なんか、なにかの信念なりなんなりがあってそれをするわけじゃないんですよね。完全に巻き添えなわけ。

わたし、この映画を途中まで見たところでブルーレイのパッケージ裏を見てしまい、ばっちりネタバレされていて、またしてもラストの衝撃はやや弱まってしまいました。それでもとんでもないことには変わりなく、いやー、これ、3作目どうするんですかね、と思っていたら2の調べ物をしていてまた3のネタバレを見てしまうという…うう…。


新・猿の惑星Escape from the Planet of the Apes/監督:ドン・テイラー/1971年/アメリカ


人間社会に猿がやってきます。


続・猿の惑星」の、ものすごい投げっぱなしなラストにあぜんとし、これどうやって続けるんだ…と思ったら、前代未聞の(でもないか)ミラクルで繋げてきました。これができるのはSFの強みだよね。

Escape from the Planet of the Apes/新・猿の惑星

あらすじ:過去の地球に猿がやってきました。

1973年の地球に、コーネリアス(ロディ・マクドウォール)とジーラ(キム・ハンター)とマイロ博士(サル・ミネオ)がやってくるんですね。過去の地球なので、猿は3匹しか出て来ません。ゴリラの着ぐるみはクオリティがものすごい低かった。前2作はお金かかっていたんだな〜って思いました。

で、しゃべる猿! ってことで世の中が大騒ぎになる。んだけれど、猿たちは平和主義者なので、世間は好意的に迎え入れるわけです。ジーラは婦人集会で講演したりする。制作年の1971年はウーマン・リブ運動まっさいちゅうの頃かな? 「猿の惑星」はシリーズ通して人権問題を扱っているしね。


Escape from the Planet of the Apes/新・猿の惑星

でも、未来の地球では猿人が人間を奴隷にしていることが明らかになるうえ、ジーラの妊娠が判明し、子孫を残させてはいかんということになるんですな。

コーネリアスとジーラは仔猿を連れて逃げようとするのだが、捕まるかもしれないと、捕まってしまった時のために銃が欲しいと言うんですね。追手を殺すためでなく、自分たちが自害するために。

なんかさ、この設定だと絶対幸せになれないことはわかっていて、わかっているけれどやっぱりすごい悲しいことだよね…。


この映画、面白いんですがずっとしゃべっているところが多いので、けっこううとうとしましたね。うとうとしては、巻戻し、うとうとしては、巻戻し。みんな話が長いのじゃよ…。

猿の惑星・征服Conquest of the Planet of the Apes/監督:J・リー・トンプソン/1972年/アメリカ


奴隷扱いされている猿たちが下克上を謀ります。


さて、4作目です。いままでで一番面白かった。「新・猿の惑星」に比べると出てくる猿の数は多いけれども、今度はほとんど同じ場所で撮影されているという、やっぱり低予算映画なのでした。シリーズ中、最も低予算だそうで。でもすごいおもしろいよ。

Conquest of the Planet of the Apes/猿の惑星・征服

あらすじ:奴隷にされた猿たちが、革命を起こします。

今度の舞台は1991年です。猫と犬が死滅し、代わりにペットとして飼われていた猿でしたが、わりと賢いので人間の代わりに簡単な仕事を与えるようになります。
それが、訓練所に猿を集めて訓練とは名ばかりの拷問を行なっていたり、扱いがひどいの。

で、実は生きていたコーネリアスの息子シーザーちゃん、中の人はコーネリアスと同じロディ・マクドウォールだが、この子だけしゃべれる。

彼は猿が奴隷扱いされている実態を知り、他の猿たちを先導して革命を起こすと、一度失敗しても二度三度やればいいんだと、権力なくしては自由を得られないと、強い意志を持って戦うんです。


Conquest of the Planet of the Apes/猿の惑星・征服

これって、黒人奴隷、黒人解放運動の話なんだよね。
人間の中でひとりだけ、猿に好意的な人物マクドナルド(ハリー・ローズ)がいるんだけれど、その人は黒人なんですよ。

彼は人間に対するシーザーの暴力を見かねて、「奴隷の子孫である私から、慈悲を嘆願する」と言うんです。

黒人がこういうセリフを言う、迫害されてきた奴隷が自由をつかむためとはいえ暴力を行使してはならないと言う。シーザーがマルコムX、マクドナルドはマーチン・ルーサー・キング牧師なんですね。マルコムXとキング牧師の決別の物語。


Conquest of the Planet of the Apes/猿の惑星・征服

シーザーはコーネリアスから教育を受けていないので、平和主義者ではないんです。革命のため、自分らの権利と平和のためには暴力もしかたなしと思っている。

人間側の唯一の理解者とも、その一点において解り合えない。すごい悲しい話で、すごくおもしろかったです。

本筋とはあまり関係ないですが、ものすごい危険なシーンがあってね、火炎放射器を持った人間に、猿が後ろから飛びかかって、そのまま2人とも前のめりに倒れてしまうんですよ。火が出たまま! 超危ない! 低予算映画で危険なシーンを見ると、ほんとゾッとします。


最後の猿の惑星Battle for the Planet of the Apes/監督:J・リー・トンプソン/1973年/アメリカ


ミュータントが襲ってきてゴリラのテンションが上がります。


最後です。「Battle for the Planet of the Apes」のタイトル通り、戦います。今度は戦争だ!
猿の惑星・征服」のあと核戦争が起こり、都市が壊滅し、残った人間と猿がどうにか共存している…という設定で、いきなりどの猿もしゃべるのでちょっと面食らいました。

Battle for the Planet of the Apes/最後の猿の惑星

あらすじ:シーザーを王に据え、どうにかこうにか共存してきましたが、ミュータントとの接触で戦争に突入します。

都市部を離れ、イウォーク村みたいなところで猿と人間が暮らしているんですね。人間が猿に文字を教えたりしているが、ゴリラはバカなのでなにかとからかわれているんだな。

村を仕切っているのはシーザーで、王様になった。んだけれど、あいかわらずちょっと考えがあやうく、やや自信過剰にも見えるわけ。でも王として君臨するならこれくらいの自信があってもいいし、今までのことを思ったら譲歩しているほうかもしれないが…。


Battle for the Planet of the Apes/最後の猿の惑星

猿と人間の関係に悩んだシーザーが、コーネリアスとジーラのテープを探しに、核爆弾で崩壊した都市の下へ行くと。そこは放射能の影響でミュータントになった人間が住んでいるんですね。「続・猿の惑星」に出てきた奴らですね。

で、ミュータントは襲ってくるわ、ゴリラは興奮しちゃって戦争をおっぱじめるわで、困ったなあ、と、なんだかどうにもうまくいかないものなのね、争わずにすむ方法ってないのかしらねというお話でした。


途中で、あ、これループなのかな? と思ったらループじゃないんですね。このラストだと、猿が人間を奴隷にする過程が描かれないので、最大の謎が明かされぬままといったかんじがします。

PLANET OF THE APES/猿の惑星Planet of the Apes/監督:ティム・バートン/2001年/アメリカ


「猿の惑星」は、人間が猿のかっこうをしていることが重要だと思うのです。


今回のエントリ最後の1本です。公開時に見ましたが、「つまんないなあ」と思ったなーということだけ覚えていて、あとはほとんど忘れてしまったので、見直しました。これを見直すなら最初の「猿の惑星」も見直すべきだった…。

PLANET OF THE APES/猿の惑星

あらすじ:マーク・ウォールバーグが無謀なせいで、大変なことになります。

宇宙飛行士のマーク・ウォールバーグが、調査に行ったっきり戻ってこないチンパンジーを追いかけていって、磁気嵐に飲み込まれ、猿が支配する惑星に墜落するんですな。で、捕まえられて、逃げて、禁断の土地と呼ばれているところに行くという話です。

これさ、人間の扱いがものすごい雑なんですよね。まあ猿の映画なのでそれでもいいんです。ただ、マーク・ウォールバーグがこの世界を救った、みたいなのはさすがにちょっと違うように思います。この人はただ無謀なだけでしたから、無謀なだけで、特になにかあったわけではないですからね。

と、お話のところにはなんとなーく物足りなさを感じるものの、猿の特殊メイクがものすごすぎて、もう、猿を見ているだけで楽しいので、もう、この映画はこれでいいんじゃないのかと、特殊メイクしているのに俳優の顔がわかるとか、すごいから、もう、いいじゃないか、と思うんです。


PLANET OF THE APES/猿の惑星

猿の動きも、今まではかなり人間に近かったのが、びょーんと跳んで馬に乗ったりなどの縦の動きが加わって、より猿っぽくなっている。ヘレナ・ボナム=カーターはさすがのうまさで、とくに驚くところが良いです。ポール・ジアマッティもいいよね。

わたしはケリー・ヒロユキ・タガワが好きなので、うふふ…と言いながら見ていました。ゴリラの執事ですよ。なぜ左の写真ではグラビアアイドルみたいなポーズをとっているのだろう…。



というわけで、わたしは「征服」が一番好きですね。
あと、全体的に猿がさー、おくちをなにかともぐもぐしていたり、目の下の筋肉をぴくぴくさせたりするのがかわいいのよー。もぐもぐぶりをずっと見ていると、もう、「猿の惑星」の猿はこうでなくっちゃね、としか思えなくなってくるのだよね。明日は「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の感想をアップします。

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