グリーンブック/ふたりの間に生まれたものは

グリーンブックGREEN BOOK/監督:ピーター・ファレリー/2018年/アメリカ


俺があんたを、守ってやるから


TOHOシネマズ新宿 スクリーン7 H-7で鑑賞。第91回アカデミー賞作品賞受賞作。

あらすじ:白人男性が、黒人ピアニストの運転手になります。

ネタバレはありません。
ストーリーにはあまり触れていません。

おすすめ
ポイント
粗野で大食いな男と、気品あふれる男のバディもの。
なんとなく真っ先に思い出したのが『プリシラ』(1994年)だった。あれはオーストラリアだが、なんとなく思い出す気持ちわかってほしい。ロードムービーだしね。


日本人は人種差別をしない」ときっぱり言った人をリアルで2回見たことがある。1回目は『フルートベール駅で』(2013年)を監督が登壇したイベントで見たとき、質問コーナーで当てられた人。ヒヤッとした。2回目はパーティーで。日本語ぺらぺらの白人男性だった。本当にこういう言い方は悪いとは思うが、あなたは強者じゃないか、と思った。「こういう言い方は悪いと思う」、そう言いつつもこうやって、体験したことを書いてしまう私にも、どこか誰かを差別する気持ちがあるのだろう。そしておそらくそれは、『グリーンブック』で描かれたさまざまな形の差別と同じように、「だって当たり前でしょ」と悪びれもせず言ったり思ったりしていることなんだろう。ぞっとする。好きとか嫌いとかじゃなくて、常識でしょ、って、自分もやっているのかと思うと、ぞっとする。

私が一番好きなのは、トニー(ヴィゴ・モーテンセン)がコーラか何かをクルマの窓から捨てたあと、ドクター(マハーシャラ・アリ)がちょうびっくりした顔してから「拾いなさい」って言うところ。なんで好きなんだろう? 「拾いなさい」っていう言い方(字幕だけど)が良かったのかな。ドクターのびっくり顔がキュートだったからかな。マハーシャラ・アリの所作の美しさも惹かれるポイントである。ヴィゴ・モーテンセンは本当にこの人がアラゴルンだったのかとびっくりするくらい太っていて、荒っぽいが憎めない人柄のよさがにじみ出ていた。

なかなか差別というものがなくならないことを、苦々しく思っている、『ドリーム』(2016年)を見たときもそう思った。だが、世の中、社会、みたいな大きなところからじゃなくて、自分の心の奥にある、誰かを差別する、してしまう気持ちと向き合うことから始めるべきなんじゃないのかなと思ったりもする。たぶんそれはとても苦しいだろう。『グリーンブック』はおおむね明るい映画だったが、こうして人の心にぐさっと語りかけてくる力はあるなと感じた。

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