クリード 炎の宿敵/親と子の物語

クリード 炎の宿敵Creed II/監督:スティーヴン・ケープル・Jr./2018年/アメリカ


そしてその血を受け継ぐ者


TOHOシネマズ新宿 スクリーン7 H-25で鑑賞。

あらすじ:ドラゴ親子がやってきた。

ネタバレしています。
注意書きはしていません。どこからどこまでをネタバレ扱いにするか悩んだので、全体的にネタバレということでよろしくお願いします。

おすすめ
ポイント
復習が必要な人は、『ロッキー4/炎の友情』(1985年)と『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)を見ると良いと思います。ドラゴ!!ドラゴ親子スピンオフ作って!
ロッキー4/炎の友情』において、ドラゴ(ドルフ・ラングレン)は圧倒的だった。突如あらわれた、ロシアからの挑戦者。彼はアポロを殺してしまう。私はもともと『ロッキー4/炎の友情』があまり好きでなかった。アポロが死ぬからだ。でも、アポロが死ななかったら『クリード チャンプを継ぐ男』も成立しなかったので、今はこれで良かったのだと思っている。

今回、ドルフ・ラングレン初登場時の姿には若干ショックを受けた。思っていたよりもずっと老けていたからだ。その鋭い眼光は変わっていないが、61歳という年齢以上に老けて見えた。役者としての彼自身が老けたというより、ドラゴというキャラクターが、長年積み重ねてしまった不遇の時代が表情にあらわれていたのではないかと思う。ドラゴは不幸だ。『ロッキー4/炎の友情』でロッキーに負けてから、いいことはひとつもなかった。息子(フローリアン・ムンテアヌ)の日々の生活からも、それはうかがえる。セメント袋を運び、賭けボクシング(おそらく)で日銭を稼ぐ。控えめに描写される彼らの生活。この際はっきり言ってしまうが、アドニス(マイケル・B・ジョーダン)は父親のおかげでいい暮らしができている。ボンボンだ。いくら『クリード チャンプを継ぐ男』で一人暮らしをしたからって、もとがボンボンなことに変わりはない。豪華な実家だってある。それに対し、ドラゴ親子はどうだ。微に入り細に入って描かれることはないが、あきらかに貧しい生活を送っており、あきらかに「負け犬」だ。

アドニスは『クリード チャンプを継ぐ男』で父親と「和解」し、ロッキー(シルヴェスター・スタローン)とともに戦い、また、彼を支える立場にあった。今回のアドニスは、恋人ビアンカ(テッサ・トンプソン)との間に子供をもうける。ロッキーとの関係は、付かず離れずといったところだろうか。もちろん仲違いをしているわけではない。アドニスもわかっている、いつまでもロッキーに頼り切りというわけにはいかない。ロッキーの身体のことは心配だが、どうやらガンが治ったらしいし、離れても良いのではないかという判断を下す。そう、ロッキーのガン問題はわりとあっさり片付いていた。ガンを手札としては残しておきたい、今作で使うべきではないという制作サイドの思惑も透けて見える。私は『ロッキー』シリーズが好きだが、人死にで話をつなぐところは好きでない。今回、誰も死ななかったことは、おおいに評価したい。もしかしたらロッキーがガンで他界するかもしれないと思っていたからだ。よかった。よかったよ。

全体的な印象としては、あっさりめだなと思った。『クリード チャンプを継ぐ男』で見られたような、テクニカルな映像表現もあまりない。ストーリーをなぞることに一生懸命で、手が回っていないようにも見えてしまう。しかしそれは些細なことだ。なにより、この物語に「悪役」がいないところがよい。兎にも角にもドラゴ親子の不憫さ、かつての嫁であり母でもあるブリジット・ニールセンの冷血っぷり(あそこで席を立つか?!血も涙もないな!でもアナタはそういう人よね)。ともに生活しつつも愛情を感じられないように見える彼らの関係性からの、最後の「It's okay.」はたまらなかった。この短いセンテンスで泣かされるとは思ってもみなかった。もういいんだ、よくやった、俺たちはもう。

今作は明確に親子の物語である。擬似親子としてのロッキーとアドニス、アポロとアドニス、ドラゴ親子、アドニスと母親、アドニスとビアンカの間に生まれた子供、さらにはロッキーとその息子も出てくる。血は受け継がれ、そして物語は続くのだ。

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