ブリグズビー・ベア/誰も貴方を傷つけない、優しい世界

ブリグズビー・ベアBrigsby Bear/監督:デイブ・マッカリー/2017年/アメリカ


みんな貴方を、愛してる。


新宿シネマカリテ スクリーン1 F-5で鑑賞。

あらすじ:監禁されてクマの番組ばかり見ていました。

ネタバレしています。
本文中、ネタバレの前には注意書きをしています。

おすすめ
ポイント
嫌なことが何も起きないのでとても安心して見ていられます。優しい世界……。
親が子供を監禁して、独自の教育を受けさせる」という点のみで見れば、『タイムトラベラー きのうから来た恋人』(1999年)に似ているし、監禁が親の意志でないという点で見れば、『ルーム』(2015年)にも似ている。手作りで映画を撮るといえば『僕らのミライへ逆回転』(2008年)的でもあるのだが、私が一番似ていると思ったのは『ウルフパック』(2015年)である。この作品はNetflixにあったはずだが、もうないかもしれない。
ざっと説明すると、親が子供を監禁し、外の世界は怖いものなのだと教え込み、映画だけを与えて暮らしている。7人いる子供らは、好きな映画を自分たちで手作りして、遊んでいるというドキュメンタリー映画だ。これはドキュメンタリー映画としては瑕疵もあるが、面白い作品なので、ぜひ見て欲しい。

さて、クマに話を戻す。おすすめポイントにも書いたとおり、『ブリグズビー・ベア』に、嫌な人はひとりも出てこない。誰かが声を荒らげるシーンもほとんどない(まったくないわけではない)。主人公(カイル・ムーニー)がひどい目に遭って、見ているこちらの胃が痛くなるようなこともほとんど起きない(まったくないわけではない)。ともすれば敵になってしまいそうな警察官(グレッグ・キニア)ですら、主人公を助ける立ち位置のキャラクターとして登場する。

※以下ネタバレを含みます。

主人公は、監禁されている間、ずっと見ていた子供向け番組『ブリグズビー・ベア』を、自らの手で映画化しようとする。この番組を作っていたのは、育ての親であるマーク・ハミルジェーン・アダムスだった。それゆえ、実の親は抵抗感というか、嫌悪感にも似た反応をしめすのだが、最終的には主人公に寄り添い、友人らも含めて、みんなで映画を完成させる。それは主人公の成長と直結しており、25年にも及んだ監禁生活から受けた影響、大人になりきれなかった人生の一部分を終わらせることになるのだ。

あえて上に「育ての親」と書いたが、主人公にとってはマーク・ハミルもジェーン・アダムスも、憎い人間ではない。監禁とはいえ、そこには親子の愛があったように見える。ゆえに、子供を誘拐した「犯罪者」と言うよりは「育ての親」と言ったほうが正しい気がする。だから主人公はマーク・ハミルに会いに行くのだし、『ブリグズビー・ベア』を……長かった自分の子供時代を……終わらせる手助けは、マーク・ハミルにこそ、してもらわなければならなかったのであろう。

愛はあった。確かにそこにあったのだ。

JUGEMテーマ:映画

この記事のトラックバックURL

※記事の内容に関係のないトラックバックは削除する場合があります。
※トラックバックの反映には時間がかかる場合があります。
※リンクのないトラックバックは反映されません。

トラックバック
おじいちゃん映画
記事検索

現在978件の記事があります。

最近の記事
週間人気記事ランキング
ブログパーツ
プロフィール
ナイトウミノワ

ナイトウミノワ

twitter flickr facebook google+ instagram

映画と球体関節人形が好き。SF映画とコメディ映画、アクション映画、おじいちゃん俳優好き。

カテゴリ
RSS
ブログの内容を気に入って頂けましたら、RSSリーダーの登録をよろしくお願いします。
RSS
おすすめ映画
月別アーカイブ
リンク
その他
無料ブログ作成サービス JUGEM