スリー・ビルボード/それはたった3枚の広告から

スリー・ビルボードThree Billboards Outside Ebbing, Missouri/監督:マーティン・マクドナー/2017年/イギリス


名指しで批判する/されるということ


TOHOシネマズ新宿 スクリーン4 G-12で鑑賞。

あらすじ:広告を出します。

ネタバレしています。
本文中、ネタバレの前には注意書きをしています。

おすすめ
ポイント
サム・ロックウェル!そしてちょっとだけ笑わせに来るケイレブ・ランドリー・ジョーンズであった。

主人公(フランシス・マクドーマンド)は過去に娘を殺される。捜査は進まず、業を煮やした彼女は町外れに巨大な広告を出すのだった。
広告の内容がショッキングであること、また、警察署長(ウディ・ハレルソン)の名前を出していることなどにより、主人公と町の人達の間には溝ができてしまう。主人公は警察署長を名指しで批判しているのと同じである。そして署長は、町の人々から(悪い言い方をすれば)憐れまれるような事情を抱えている。署長の名前を出さなかったら、人々の反応も少しは違ったかもしれないが、if は考えても仕方ないことなのでここではやめておく。

人によるだろうが、誰かが名指しで批判されているとき、批判した側にまっとうな言い分があったとしても、批判される側の肩を持ってしまうことは、少なからずあるのではないかと思う。この映画には清廉潔白な人は出てこない。同時に、クズも出てこない。皆、良いところもあれば悪いところもある。署長は彼らの中でも正に近い人間かなとは思うが、しかし、退場の仕方にやや身勝手さを感じる部分もある。クズといえば警官(サム・ロックウェル)が相当のクズだが、しかし、※以下ネタバレを含みます。


この物語は、サム・ロックウェルを主軸として考えると、どうしようもないクズである彼がまっとうな人間性を取り戻す話であるとも思う。広告屋(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)をどつきまわして病院送りにするあたりなんかは、ほーんとお前ひどい目に遭えばいいのに!と思ったものだが、その後私が望んだ通りひどい目に遭ってしまうと、あ、ああ、ごめん、なんて気持ちになる。火事のシーンは絵の強さも相まって非常に印象的だ。手紙を読んで「心を入れ替えた」彼は、火事によってある意味「浄化された」のかもしれない。言い過ぎだろうか?強烈な出来事は人を変えるときがある。彼にとってのそれは、手紙という些細な物と、火事という一大事だったのだろう。

物語としては、これは、明確な解決を見ない。そこに物足りなさを感じる向きもあろうかとも思う。だが、人生とはそういうものなのではないか?物語は続いていく、彼らが「決断」するかどうか、私達にはわからないままに。

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