15時17分、パリ行き/圧倒的リアリズムと、物語としての面白さについて

15時17分、パリ行きThe 15:17 to Paris/監督:クリント・イーストウッド/2018年/アメリカ


ミニマムな世界観は、我々と繋がっているのだ、と


マスコミ試写で鑑賞。公開は2018年3月1日です。

あらすじ:アムステルダムからパリへ行く途中の電車で事件が起きます。

ネタバレはありません。
あらすじや予告などを見ていれば、特にネタバレになるような出来事はないため、ネタバレしていないという判断で書いています。

おすすめ
ポイント
実際にあった事件の当事者が出ています。

面白いのかどうかすら、おおっぴらにツイートするのをはばかられた。


トマトメーターは信用出来ないときもあるが、これはまあ、わからんでもないなと、わからんでもない。
感触としては、『フルートベール駅で』(2013年)に似たものを感じる。

主人公である若者3人について、彼らの出会いから電車内での事件、また、その後までを描いている。素人を起用していることについて、鑑賞前には若干の不安があったが、見てみるとこれは、リアリティという意味では文句のつけようがない。彼らがいったいどのような人間で、どういう経緯を経て、事件に直面するに至ったか。こざっぱりとした演出と、94分という尺の短さがちょうどよい。沈着冷静に事件を解決する彼らの姿を見るに、「どうということのない、一般市民」は「いない」のではないか?と思わせる。

さてしかし、面白さという点で見ると食い足りない部分は大いにある。それはリアリティとは関係がないからだ。ふだん、盛りまくった映画を好んで見る私には、これは足りないと感じてしまう。もちろん、イーストウッドだから下手なわけではまったくない。よくこんなふうに繋げたな、と感心するシーンも有る。が、途中、自分は何を見ているのだろうか?という疑問が頭をもたげてきてしまった。

理由の一つには、いつ、どこで、何が起きるか、を私は知っていて、事件の断片は物語の途中にもインサートされているため、電車に乗らなければ事件が起きないことをわかっているからだ。ここは私の中でも賛否の分かれるところで、さきにも述べたように「どうということのない一般市民」がいずれ「ヒーロー」になる、という、身も蓋もない言い方をすれば、オチバレしている状態で見ているわけだからだ。主人公らの人生が描かれる間、そしてヨーロッパ旅行を楽しんでいる間、ああ、彼らはまだ「事件」が起きることを知らないのだよな、と、日常生活を日常生活として過ごしている、その様子をはらはらと見守るしかない。私達の人生においても、いつ、どこで、何が起きるか、というのは、現時点においては分かりようがない。

電車内でテロリストを取り押さえた、言ってみればたったこれだけのことなのだが、ここには圧倒的に、人生がある。

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