雨の日は会えない、晴れた日は君を想うDemolition/監督:ジャン=マルク・ヴァレ/2015年/アメリカ
なにもかもを、思い出までも。
新宿シネマカリテ スクリーン1 E-11で鑑賞。
『Demolition』という原題が、いったいどういう経緯を経て『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』なんていうポエムになったのか、まったく想像もつきません。タイトルと見出しにポエムめいたものを書いている身としては見習いところです。さて。(ここまで、映画を見る前に書いています)
あらすじ:奥さんが死んだのでおかしくなります。
キャスト
- ジェイク・ギレンホール
- ナオミ・ワッツ
- クリス・クーパー
- ジュダ・ルイス
※ネタバレはありません。多分ないと思います。
- おすすめ
ポイント - 子役がめちゃめちゃいいです。テンポも良くて見やすい。恋愛要素はありません。映画に出てくるガラスのテーブルは壊れるものです。
感情を表現するのは案外難しいもので、強いショックを受けたとき適切に機能しないことも、ままある。これはそういう男の物語で、突然の事故で妻を失ったにも関わらず涙ひとつこぼさない。
うまいなと思うのは、序盤で「すべてのものがメタファーに感じる」としたところ。これは主人公と同じ経験がなくても、人というものはそう感じるに違いないだろうと想像出来るからだ。そして、主人公がその思いの丈を打ち明ける相手が一風変わっていて良い。『アバウト・シュミット』(2002年)に似たようなシーンはあるが、こちらの映画はもうひとひねりしている。こういうものを見ると、映画は日々進化しているのだなと感じる。
この映画で起きることは普遍的なものではないが、共感出来る部分はある。悲しい出来事が起きたのに、その悲しみに身を任せることが出来ない。それはいつしか乗り越えるべき課題として残り、過去は否応なしに現在へ食い込んでくる。忘れるために出来ることは少ない。主人公に出来たことは破壊行為であり、再生への道筋としてナオミ・ワッツとの友情がある。新たな恋愛へ発展しそうな気配も残しつつ、あくまでも映画の中では友情として描いている部分が大変に良かった。
また、ナオミ・ワッツの子供である少年との友情が大変に良い。子役がとてもうまくて(映画は初出演のようす。『X-ミッション』(2015年)にも出演しているがここまで大きな役ではなかった)、こまっしゃくれたガキなのだが、主人公に心を開いていく様子、これがわかりやすく銃を撃つ=感情をぶつける、というような構図になっている。セクシャリティの問題にも触れているのだが、ここは現代らしく処理されていると感じた。同監督の『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013年)と比べてみても、現代らしさが強調されているように思う。
全体的な流れとしては、あまり珍しいことはしていない。昔から有るようなテーマ、言ってみれば王道なのでハズレはしないのだが、そこをちょうどいい具合に掘り下げて表現している。そしてクリス・クーパーが最後の最後のギリギリまで困って困って困り倒しているところが私としてはたいへんよろしかった。おすすめです。
うまいなと思うのは、序盤で「すべてのものがメタファーに感じる」としたところ。これは主人公と同じ経験がなくても、人というものはそう感じるに違いないだろうと想像出来るからだ。そして、主人公がその思いの丈を打ち明ける相手が一風変わっていて良い。『アバウト・シュミット』(2002年)に似たようなシーンはあるが、こちらの映画はもうひとひねりしている。こういうものを見ると、映画は日々進化しているのだなと感じる。
この映画で起きることは普遍的なものではないが、共感出来る部分はある。悲しい出来事が起きたのに、その悲しみに身を任せることが出来ない。それはいつしか乗り越えるべき課題として残り、過去は否応なしに現在へ食い込んでくる。忘れるために出来ることは少ない。主人公に出来たことは破壊行為であり、再生への道筋としてナオミ・ワッツとの友情がある。新たな恋愛へ発展しそうな気配も残しつつ、あくまでも映画の中では友情として描いている部分が大変に良かった。
また、ナオミ・ワッツの子供である少年との友情が大変に良い。子役がとてもうまくて(映画は初出演のようす。『X-ミッション』(2015年)にも出演しているがここまで大きな役ではなかった)、こまっしゃくれたガキなのだが、主人公に心を開いていく様子、これがわかりやすく銃を撃つ=感情をぶつける、というような構図になっている。セクシャリティの問題にも触れているのだが、ここは現代らしく処理されていると感じた。同監督の『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013年)と比べてみても、現代らしさが強調されているように思う。
全体的な流れとしては、あまり珍しいことはしていない。昔から有るようなテーマ、言ってみれば王道なのでハズレはしないのだが、そこをちょうどいい具合に掘り下げて表現している。そしてクリス・クーパーが最後の最後のギリギリまで困って困って困り倒しているところが私としてはたいへんよろしかった。おすすめです。
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