LION ライオン 25年目のただいま/ぼくを探しに

LION ライオン 25年目のただいま

LION ライオン 25年目のただいまLion/監督:ガース・デイビス/2016年/オーストラリア


過去の僕は、どこにいるのか。


マスコミ試写で鑑賞。公開は4月7日です。

あらすじ:迷子になった子供が25年経ってGoogle Earthで実家を探します。

キャスト
  • デヴ・パテル
  • ルーニー・マーラ
  • ニコール・キッドマン
  • デビッド・ウェンハム
  • サニー・パワール

ネタバレはありません。重大なネタバレはありませんが、ストーリーについてとセリフの一部分は書いているので、ちょっとだけ気をつけて下さい。

おすすめ
ポイント
実にシンプルな話なんだけど、心に刺さる部分が多々あって、これはおすすめですよ。

具体的なネタバレやストーリー説明を避けるためにこんな軽く書いた、Google Earthは重要ポイントではあるものの、奇跡体験アンビリバボー的な「へえすごいね〜そんなことあるんだね〜」で終わるタイプの物語ではない。が、この話をテレビでやっちゃわないことを祈るしかない。きっと結構ショッキングなネタバレ踏むことになるからよくない。

実話ということをさっぴいても、Google Earthが出てくるあたり現代的だね〜時代なんだね〜なんて思っていたら、物語の中心にあるものは、家族についてと自分について、であった。

5歳のサルーは、うっかり紛れ込んだ列車で1600キロ離れた場所へ着いてしまう。解るのは自分の名前と兄の名前だけ、母親の名前もわからず、かろうじて覚えていた村の名前も、都会の大人たちには「そんな場所はない」と言われてしまう。子供時代のパートはだいぶ長く、また、大人になってからも事あるごとに子供時代のかすかな記憶を思い返し、そして母に会いたいという気持ちゆえに幸せな夢を見る。養母であるニコール・キッドマンは優しく、主人公が「育ての親」を大切にしている様子もよくわかる。

これは二人の母親の物語でもある。実の母親はほとんど夢の中でしか出てこないが、彼女が子を失ってからいったいどういう気持ちで日々を暮らしていただろうかと想像するだけで胸が痛い。ニコール・キッドマンはなぜ養子を取ることにしたのかについて切ない理由がある(ここについては、マイナスイメージを持つ人ももしかしたらいるかもしれない)。ともかく、二人の母親にとってサルーは「希望」であるのだ。そしてサルーはそれをわかっている。ゆえに自分の生まれの家を調べることについて思い悩む。

あまりこういうことは言いたくないのだが、子供が居る人には特に勧めたいと思う。私には子供がいないのでわからない部分ではあるものの、想像はなんとか出来る。その想像の範囲内で言う。おすすめ。

自分は一体何者であるのか。学校の仲間に、インド人なのかオーストラリア人なのかについて、少しからかわれたとき、彼は冗談めかして返す。インド人だからクリケット好きだよね。でも、彼のインドでの子供時代に、クリケットは関係がなかった。娯楽のある生活などではなかったからだ。彼は言う、自分はオージーだ、と。彼はカレーもうまく食べることが出来ない。フォークとスプーンの生活の方が長かったからだ。人は環境で変わる。実母は恋しいが、自分の行動によって養母を傷つけることはしたくない。これには彼の弟(同じく養子である)と家族との関係も深く関わってくる。

僕達は過去を背負って、もらわれてきた

サルーのセリフは、日常生活において私たちにも言えることであると思う。人にはそれぞれの過去があり、人生の途中から知り合った人たちに、その全てを話すことはないし、わかりあうことも到底出来ない。どうにかすりあわせて保つしかない。ルーニー・マーラと主人公との関係に、その片鱗がうかがえる。実家を探そう、と、手を差し伸べたルーニー・マーラには、主人公の葛藤が伝わりきっていなかった。そんな彼女は主人公に、とても良い助言をする、その瞬間、ああ、彼女は主人公よりも多少「あの人」のことを解っていたのかな、と受け取れる。

最後に、タイトルの話をする。なぜこんなタイトルがついているのか(副題のことでなく原題『Lion』のことである)、映画を見るまでわからなかった。見ていてもわからなかった。しかし、タイトルが出たその瞬間、すべてが腑に落ちる。この出し方は完璧だと思うし、カタルシスも得られるのではないだろうか。実話ものにありがちな演出もあるのだが(よく賛否がわかれている、あれのことである。察して下さい)、この映画については、この演出で良かったと思う。おすすめですよ。

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  • 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
  • 2017/04/08 12:37 AM
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