
ひつじ村の兄弟Hrutar/RAMS/監督:グリームル・ハゥコーナルソン/2015年/アイスランド、デンマーク
これでR指定は厳しすぎるのではないかな?
マスコミ試写で鑑賞。ほのぼのタイトルでR15という謎に惹かれて見ました。おじいちゃんだしね。
あらすじ:ひつじが好きなおじいちゃん兄弟がいがみあいます。
・兄弟、片方は社交的、片方は孤独
・隣に住んでるのに何年も話してない、話さないだけでジェスチャーでのやり取りはある 、手紙を犬に運ばせるなども
・血の繋がりがあるかないかは定かでない
・相手のことはよく分かってる
・いざという時は手を取り合う
『ひつじ村の兄弟』ざっくりこんな感じ
— ナイトウミノワ (@minowa_) November 26, 2015
以上、あらすじでした。※ネタバレはありません。R15の理由は書いています。
- おすすめ
ポイント - ほんわかしているだろうなという予想を大幅に超えてゴリゴリにシビアな話でした。
『ひつじ村の兄弟』試写行ってきた。なぜR指定なんだろうと思っていたが、これでRは厳しいのでは……? お話はほのぼのとしているかと思いきやめちゃくちゃ深刻でシリアスで説明的なところ全くない冷めたものだが、ひつじがよたよた歩いて可愛いので不思議なかんじする。
— ナイトウミノワ (@minowa_) November 24, 2015
R15指定なのは、おじいちゃんの全裸が出てくるからです。『ヴィジット』でおばあちゃんの全裸が出てもGだったのに、おじいちゃんの局部がチラッと映るだけでR15はさすがに厳しすぎますね。おしりはよくて、前はだめなのか。配給さんから「乳児の裸が出るからPG12になったこともあります」と言われ、本当良くわからない。
さて、本題です、すごいシビアな話。酪農頼りの村で羊の伝染病が発覚して、全頭殺処分ってなって。
羊居ないと生きていけないので、村人は次々に酪農辞めていく。ひつじがいなければ、こんな村に住む理由なんかない、とまで言う。映画が終わったあと、他の人が「なんで日本でこういう映画が撮れないんだろう」って言っているの聞こえたのだけれど、そうだねえ、日本映画だと、酪農の「よさ」を押し出してしまいそうなかんじある。ドキュメンタリーならともかくね、劇映画だとそういう印象ある。偏見です。
非常に削ぎ落とされた情報量で、なぜ兄弟がいがみ合っているのかもハッキリとはせず、ひつじが明確に何かを象徴しているかと言えばそうでもなくて、深読みすれば別かも知れないが、ずいぶん堅い話だなと思うとともに、たまにユーモラスなシーンなどもあり結構目が離せないんですよね。何が起きるかわからない、先読みをさせない。で、ときどき羊がヨタる。メエエーって言いながらよたよたしてる。かわいい。すごいギャップある。荒涼とした村の様子と、もふふかもふふかしたひつじたちがメエエー。ひつじが「兄弟の間に確実に存在している愛」のようなものと受け取れなくもないし、聖書的な意味合いを持たせることもできるが、ここはグジグジいじったりせずに、不思議な話だなあ、くらいで落ち着かせておいてもいい気がしますね。不思議な話です。
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