マイ・インターン/ダメな社長の特徴コンプリート?

マイ・インターン

マイ・インターンThe Intern/監督:ナンシー・マイヤーズ/2015年/アメリカ


ジェンダーを取り払ってみたら社長のダメっぷりがもっと露わになるんじゃないかな。


といいますのも、キャリアウーマンの話で、ある種バイアスがかかっているのと、ターゲット層(働く女、わたしもそうです)にはグッとくる部分もあるのだが、「社長」として見たらこの人は最後までだいぶんダメだなと思いましてですね。経営コンサルタントの人とかが同じ切り口で感想書いたら、わたしのより、もっと面白いと思います。というか今回感想ではない。

マイ・インターン

新宿ピカデリー スクリーン1 L-19で鑑賞。
デ・ニーロ目当てです。

あらすじ:おじいちゃんがインターン。

ベン(ロバート・デ・ニーロ)はのんびり引退生活を送っていたけど新しいことしようかなって思って、女社長(アン・ハサウェイ)が運営するファッション会社にインターンとして勤めることにしました。

ネタバレしています。ストーリーにはあまり触れていません。主人公がどういう人間なのかについて書いています。


おすすめ
ポイント
デ・ニーロが紳士、いや、天使で、ちょう素敵。デ・ニーロ最高。すばらしい。でも今回、デ・ニーロのことは書きません。
考察をするまでもなく、ジュールスはだいぶんダメな社長ですよね。んじゃ、列挙していきましょう。

厳しいのではなくワガママである
「わたしに慣れてね」とか言うが、彼女の要求、とくにまばたきは個人的な好みであって本来仕事とは切り離さねばならない。この映画は『プラダを着た悪魔』の流れで宣伝されているので引き合いに出すが、メリル・ストリープは『ハリーポッター』の件以外、「ワガママ」ではなかったと記憶している。

「わたしはキツいの」と自分で言うのは自分を守るためだとは解る。そのへんが彼女の弱さ、ていうキャラクター設定、その後も何度も弱味をのぞかせるので。じゃあ、映画上の設定として受け取らず、こういうこと言う社長、としてとらえると、これはパワハラ宣言に近い。他のシーンでは、酔っているといえ明らかにハラスメントを行っている。ああいうことを言ってはいけませんよ。

「忙しい」のではなく管理が下手
分単位でスケジュールが組まれているにも関わらず、「会議に1時間遅刻してくる」と言われている。
おそらく会社立ち上げ当初から関わっていたであろう社員がそう言っているわけで、てことは社長は遅刻するとわかっているうえでスケジュール組まれていると思われる。全部押しで組んでも、それでも遅刻するから文句言われたんだと思う。

会議をいくつもこなすシーンがある。遅刻してくる間に社員がボーっと待っているわけはないので、最終決定などだけに社長が口を出すことになる。それで土壇場の仕様変更だ。対応できる社員でよかったね。リメイク『ロボコップ』のときも書いたがわたしは土壇場の仕様変更シーンがあると胃が痛くなるよ。
ともかく、社長はその「忙しさ」のあまり、社内のなにがどうなっているのか把握していない。キャパオーバーしている部分をきちんと人に任せる、ていうのも上手く出来ていないように見える。

自分のデスクに社員が物を積み上げ、片付けられないことにご立腹だったが、雑用係をバイトでひとり置けば済む。触られて困るものが置いてあったわけでもないのだし。社員のストレス軽減のためマッサージ師を雇うことは出来るのに、そういうのは出来ないのかなと思う。映画としてはデ・ニーロとの距離が縮まる理由付けになっているからいいのだが、社長としてはどうかなというところ。

経営に失敗しかかっている
「貴女のスピードにみんなついていけない」って話からドバババと一気に問題点を挙げられるシーンがある。言われていたことそのままなので特にコメントもないが、こんなことになっちゃっているから外部からCEOを雇いましょう、ってかなりのおおごとなのでは。

マーケティングの方向性が間違っているのを指摘されるシーンがある。このとき社長は「送料が高いのかな〜」と言っている。社長は、「送料をしぶるくらいの客をターゲットにしている」ってわかっているにも関わらず、広告費をかける部分が違った。マーケティング部の責任なので社長においかぶせるのは酷かもしれないが、購買層の傾向を把握しているのに、そこに力を入れていないのは少しまずい。

低所得者層が良く買うみたいなこと言われていたので、ファストファッションを扱っていると思われる。わたしはファッションに疎いので、社長が着ていたものを見ただけではブランド特定できないが、自社で扱っていないものを着ているシーンが多いのではないかと思う。しょうゆこぼした服もそうだし。
ZOZOTOWNみたいなサイトかと思ったが、工場持っているので違うか。そもそも自社ロゴの入った梱包してたから自社製品だね。話がそれてきた。

クレーマーにカモられている
そんな中、自社で販売していないカラーのドレスについてクレームが入ったときの対応がマズい。ドレス6着をタダでソッコー送ります、って返答してしまう。最終的になぜか「いい話」として回収されていたが、一度クレーマーに対してこの対応をやってしまうと、次も同じ対応をしなければならなくなる。

ただ、わたしはクレーマーとしてとらえた(違う色が届いたと嘘をついている客だと思った)が、本当に業者のミスなのかもしれない。だったら「いい話」で回収しているのはOKかな。対応自体はマズい。

社員の仕事量・適性を把握していない
ベッキー(クリスティーナ・シェラー)は大量に仕事を抱えていて回せておらず、それを自分のせいにして泣いちゃうわけだが、彼女の仕事がなんなのかはっきりしない。たぶんジュールスの秘書とマーケティングを担当していると思われる。とくに秘書仕事に関しては、社長の都合にかなり振り回されている。
デ・ニーロを社長の家に迎えに行かせるため電話するシーンがある。時計が映っていたが時間を見落としたので、あれが夜か早朝かわからない。電話受けてすぐデ・ニーロが準備していた気がするので、早朝の可能性あり。秘書ならばあるいは仕方ないかもしれないが、彼女には休息っていうものがないように思える。社員のワーク・ライフ・バランスも考えてあげて欲しい。

他の社員はそれほどギッチギチに仕事をしているように見えない。ここもバランスがおかしい。
ベッキーの「下」にひとり付けておいたほうが良いと思う。「横」って言うから彼女泣いちゃう。

社員とのコミュニケーションがうまく取れていない
おめでとうベル鳴らしたりバースデーパーティーをやっているが、前述のハラスメントシーンでは、1年働いている社員の名前も覚えていなかった。1年半で会社を大きくしたと言っているので、さすがにあの社員を覚えていないのはいけない。これが10年20年のうちの1年ならばまだわからんでもない。ベッキーに関しても、彼女の経歴を覚えていない。すべての社員の経歴を覚えておけとは言わないが、彼女はかなり社長に近いところにいるので、少しは把握しておいても良いと思う。

公私混同している
プライベートを知られたくないわりに、完全に私用で社員を動かす。映画としては面白味のあるシーンだが、社長として考えたらアウトでしょ。外部CEOを受け入れないと決める理由も個人的なもの。落としどころをハッキリ、デ・ニーロを右腕にしますとしていればまだ良いかと思う。雰囲気はそうだが、そこまで明確にはしていないため、経営破綻への道がちらついてしまう。
「わたし、がんばる!」では、同じことが繰り返されるだけだし、社長自身も壊れるんじゃないかな。
配偶者もまた同じこと繰り返す可能性あるよ。

そんなダメダメな社長を、
華麗に救うのが紳士で天使のロバート・デ・ニーロなのでした! 素敵!
放り投げちゃった。いま眠いんです。じゃあ終わります。

photo
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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2016-02-10

by G-Tools , 2015/12/08

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