博士と彼女のセオリー/その笑顔に隠されて

博士と彼女のセオリー

博士と彼女のセオリーThe Theory of Everything/監督:ジェームズ・マーシュ/2014年/イギリス


見終わってからしばらくして、ふっ、と、怖いことを思いました。


TOHOシネマズシャンテ スクリーン1、E-9で鑑賞。エンドロールが流れるまで、デヴィッド・シューリスアラン・リックマンだと思い込んでいました。ごめんなさい……!

博士と彼女のセオリー

あらすじ:天才が病気になって大変です。

物理学を学んでいたスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)は言語学を学んでいたジェーン・ワイルド(フェリシティ・ジョーンズ)と恋に落ちるんだけど、病気になって大変でした。

ネタバレはありません。ないと思います。実話ベースなので、これはたぶん書いてもネタバレではないだろうということは書いてます。


おすすめ
ポイント
映像が美しいですね。イヤな人がまったく出てこないです。見かけ上は……。
博士と彼女のセオリー

ぱっと見はイヤな人が出てこないし、美しい愛の崩壊というかんじなのですが、思い返してみるとジェーンはずっとストレスを溜め続けているし子供を3人も抱えて博士の世話もして自分のやりたい研究はできない、という介護生活の本当にキツイところが、表現として抑えられてはいるものの、かなり滲み出てきているんですね。

もちろん、介護キッツいわーっていう映画が見たいわけでもないので、滲み出る程度でいいんです。

で、それはいい、お話しとしてあんまりシリアス寄りにしないように調節したんだろうし、別に事実をぜんぶさらけ出すのが良いことでもない、映画だから。


博士と彼女のセオリー

わたしが何をゾッとしたかというと、周囲の人間の夫婦への薄情さ、無関心ぶりです。彼らのことを想って日常的に手助けをした人間はジョナサン(チャーリー・コックス)とエレイン(マキシン・ピーク)だけですよね。

物語上彼らは重要人物だし、他の人については蛇足になるとかで単に描かれなかっただけかもしれないが、例えばジェーンの母親の『聖歌隊に入ればいいとおもう』っていうアドバイスとか、ん? そこなんだ。って思ったのは確かです。

そのアドバイスが後の物語に影響を及ぼすからというのもあるにせよ、お母さん、娘が超大変な思いをしているときに、何を言い出しましたかな? と。


博士と彼女のセオリー

夫婦の間に他人が入って生活を支えるとなったとき、毎回どちらかが軽い苛立ちを見せるんですね。この人達は家族だけで生活をすることがとても大変なのに、じゃあお手伝いをとなったら、ギスッ……ってしちゃう瞬間がある。

これは後半でああいうふうになるための積み重ね部分で、ギスッ……ギスッ……がたびたび続いていれば、ああなっても『ですよね……仕方ないですよね……』とすんなり受け入れられる。

ここのところの作りは上手いと思いました。でないと、これ下手にやると、スティーヴンめっちゃ嫌な人になってしまいますから。そうすると、周囲の人間の無関心さなども込みで、あのシーンへ繋がれるようになっているのかなあ、とも思いますね。


また、ジェーンがただただ献身的に尽くして彼を支えました、っていうお話にしなかったのは、大変いいと思います。事実と美談のスレスレのところを渡っている、事実……がどうなのか、わからない部分もたいへん多いにせよ。スティーヴンは大部分のシーンでずーっと笑っているし(それが症状ゆえかどうかもわからないが)、基本的には感じのよい人にされているから、何を考えているのか全然わからない、最初から最後まで一貫して『本音の見えない人』として描かれているんですよね。

面白く作ってある映画ですし、絵が綺麗でロマンチックです、おすすめです、わたしはちょっと怖かったです。

photo
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NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 2015-08-05

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