6才のボクが、大人になるまで。/未来なんて、わからなかったよね

6才のボクが、大人になるまで。

6才のボクが、大人になるまで。BOYHOOD/監督:リチャード・リンクレイター/2014年/アメリカ


よくぞここまで、すくすく育ってくれました!


TOHOシネマズシャンテ スクリーン1、E-8で鑑賞。事前情報としては、すごい長い間ひとりの男の子を撮ってた。ってことくらいです。あとイーサン・ホークが出ている。
(これは未来の自分へメモですが、TOHOシネマズシャンテ、スクリーン2はF列くらいでちょうどいいです)

6才のボクが、大人になるまで。

あらすじ:6歳から18歳までを追った12年間。

メイソン(エラー・コルトレーン)は姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)と一緒に、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と暮らしていた。そこへ離婚した父(イーサン・ホーク)が現れる。

ネタバレはありません。写真は子供時代のものしか貼ってないので安心してください。
監督インタビューなどは全く読んでいませんので撮影に関する正解は知らないです。


おすすめ
ポイント
人物の成長が余計な説明なくスムーズに繋がっていて、ドキュメンタリーっぽくなりそうなのに、ちゃんと「お話」になってるのが、ほんとすごいです。おすすめ。
6才のボクが、大人になるまで。

先に書きましたとおり『ひとりの男の子を長い時間かけて撮ったらしいよ』っていう情報しかなかったため、まさかキャスト全員が12年同じ人だとは思わず、もうそこで、え? ですよ。てっきり周りのキャストは変わるものかと…。

彼らの複雑な家庭環境に対する暗さはあまりなくって(教授は最低だな!)、イーサン・ホークとのやり取りは楽しげでとてもよい。

お母さんは面倒な人で子供らは振り回されっぱなしだ。振り回されるがゆえに周囲の人物や住む場所などがどんどん変わっていって面白いというのもありますね。


6才のボクが、大人になるまで。

子役の演技に演出や指導が入ってるかどうか…。リンクレイターの娘はともかくとしてですよ。家族だからさ。主演の子はそうじゃないでしょ、難しいよねえ。

もともと子役ふたりがどういう性格なのかすらわからないけれど『キャラクターとしての人格を最初から最後まで一貫させる』っていうのはこの長い撮影期間ではかなり難しいことなのではないかと思うのです。

だから、この成長のリアルさ、性格のブレなさ、特に12歳〜15歳くらいに見せる感情のふらつきのようなものは、もともと本人たちが成長過程で現してきたものだろうと思うんですよね。


6才のボクが、大人になるまで。

会話に過剰なセリフっぽさはほとんどなく、とはいえ意味のない話を続けているのでもなく、ユーモアもたくさん入っていて、物語として成立させている。子供に、やらされている感がないのがすごい。たまに本気で拗ねているように見える時などはある(笑。

ドキュメンタリーだったらもっと撮りやすいと思うんですよ。でもフィクションですからねえ。シーンが変わって時間が経過していたとき、絵としてすんなり繋がっている。そう見せるためには「編集しやすいように特殊な撮り方をしない」っていうのが、あったのかなあ。


といいつつ、わたし、リチャード・リンクレイター監督作って「ウェイキング・ライフ」「スクール・オブ・ロック」「スキャナー・ダークリー」しか見てないから、どういう撮り方する監督なのか知らなかった、ハッハッハ。うち2本はロトスコープじゃん。ハッハッハ。

6才のボクが、大人になるまで。

ストーリーは、おおまかな流れだけ最初に決めてあって、年ごとに、その時々の時代背景やディテールを入れていったんだろうなあと思います。そうじゃないと脚本書けないよね、未来のことなんてわかんないもの。

最初のほうでお父さんが政治の話をしているでしょう。あとになってオバマを支持するという話が出てくる。2008年にオバマがいなかったとしても、そのとき話題になった政治家を持ち出したかもしれない。でもオバマって強烈で映画映えするじゃない? だから、この一連の出来事は入れておきましょう、ってなったんじゃないかなー、とかね。

ほかの様々な出来事についても、一家族が遭遇するであろう『未来への可能性のパターン』を幾つか準備して撮っておかないと、あとになってからつじつまが合わなかったり、数年ぶん削らなきゃならなくなったりするんじゃないのかと…。


6才のボクが、大人になるまで。

未来が予測できないがために不要となったシークエンスもたくさんあっただろうなあ、とか。撮影したぶんを全部見てみたいよ…どれだけ撮ったんだろう…。

いやいや、もう、そんなことグダグダ考えても仕方ないわ、よくやった、よく撮りました。

あと、たまたまそのときの流行りモノを撮っておいただけかもしれないが、Apple社製品がずっと出てきて、Appleすごいな! ってなりましたね。


そして、子供はどのように成長するかわからないからさ、病気になるかもしれないし、非行に走ったり、映画に対して非協力的な方向へ進んでいたかもしれないよね。それでも、撮影さえできれば、問題が起きた時点からシナリオを変えることも可能だろうけれど、そうするとあのラストには出来ないかもしれないし。
オープニングとラストはじゃっかん繋がってるから、変えるのはナシじゃないですか。

主人公の男の子だけでなく、監督にも、メインキャストにも、身体的に問題が起きず撮りきれたのは、こういう言い方はあまり好きではないが、もはや奇跡とかそういうたぐいのものなのでは…。

あの子には本当の思春期と、映画のなかの思春期と、映画に出続けていたという特殊な思春期があるんだね。
そんな思春期を送った人は彼しかいないし、それと同じように観客それぞれ、自分の思春期と”同じ思春期”を送った人間はいないんだよね。

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