ジャージー・ボーイズJersey Boys/監督:クリント・イーストウッド/2014年/アメリカ
さあ、それでは歌っていただきましょう!
丸の内ピカデリーシアター1、T-18で鑑賞。クリント・イーストウッド監督作ということで見に行きました。
もちろんミュージカル版は未見です。
あらすじ:フォー・シーズンズの結成から解散まで。
フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)は、その歌声でマフィアのボス(クリストファー・ウォーケン)に気に入られ、バンドメンバーであるトミー(ヴィンセント・ピアッツァ)、ニック(マイケル・ラマンダ)、ボブ(エリック・バーガン)と共に音楽活動を行う。
※ネタバレしています。ネタバレ前には注意書きをしています。
- おすすめ
ポイント - 元がミュージカルだからというのもあるけど、曲の入り方がうまくてテクニカルだなーなんて見てたら、ある曲のとこでバーッて泣いてしまい慌てました。あとウォーケン。ウォーケン。
お話そのものはですね、結成、成り上がり、絶頂期、家族とのあれこれ、仲間割れ、解散、ってかんじで大変わかりやすいですね。
これミュージカル版とどれくらいすりあわせているのかわからないのですが、見ていないものは仕方がないので、ミュージカル版のことは忘れましょう。
まず思ったのが、編集と演出が大変うまいことです。うまい…というかバッサバッサ切っていく。キスしたと思ったら次のシーンでは結婚してる。いや当然、バサバサ切る編集=うまい、っていうわけじゃない。うまくいっているかどうかっていう話よね。
この映画の中で重要視されているのは、彼らが音楽的にどう成功していったか、またその裏側には何があったかであり、彼らのプライベートな出来事については最小限に抑えられているんですね。
『仕事と家庭の両立』について少し描かれる場面もありますが、彼らの仕事の内容を考えたら、家庭との両立なんて無理、無理ですよね。それもあって、グジグジ描く必要はないということでしょう。これは潔い。
また、場面によって登場人物がこちらに向けて語りかけてくる、これはストーリーを円滑に進めるとともに、ナレーター役以外の登場人物と、ナレーター役の登場人物との間に若干の認識の違いがあったり、すれ違いがあったりすることを表してくるんですね。
おすすめポイントにも書きましたが、曲の入り方がとにかくうまい。そして回数が多い。わたしはショーのシーンや歌の多い映画が好きなので、見ていて本当に楽しかったです。あんなことやこんなことがあったあとでも、顔色一つ変えずにパフォーマンスをやり切る姿もいいですね。
※以下ネタバレを含みます。
わたしが泣いた曲のところ…直前の、電話からの葬儀がまたバッサリとカットされていて、フランキーの悲しみについてエモーショナルな描き方はされていないんですよね。ここでも、プライベートな出来事や心情については最低限のものになっている。
その流れで、あの曲を歌うわけなんですよ。恋愛の曲かもしれないが、父から娘への曲にも思え、また、鎮魂歌にも聞こえる。けれども、曲調は明るい。人が歌う姿を見て、聞いて、涙が出るのが初めてで、たいそう驚きました。自分に。
というわけで、130分と長めの映画ですが大変見やすく、お歌も多くて楽しいし、1990年のシーンもいい、ラストのダンスもいい、ウォーケンのステップ! はあ! たまらん! ウォーケンはもういっこたまらんシーンがありますので、おじいちゃん映画の方で書きました。
- ジャージー・ボーイズ ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
- ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2015-02-04
by G-Tools , 2014/12/16
- ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック
- ボブ・ゴーディオ サントラ ジョン・ロイド・ヤング カイリー・レイ フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ フランキー・ヴァリ エリック・バーゲン
- ワーナーミュージック・ジャパン 2014-09-09
by G-Tools , 2014/10/02