her/世界でひとつの彼女/恋をしても独り

her/世界でひとつの彼女

her/世界でひとつの彼女Her/監督:スパイク・ジョーンズ/2013年/アメリカ


その世界の中で、わたしは何になれるの?


ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1 E-11で鑑賞。チケット取るの前日になっていつもの席を逃す…が、E列でも近すぎるということはなかったので今後の参考に書き留めておきましょう。

her/世界でひとつの彼女

あらすじ:彼女がパソコンから出てきません。

手紙の代筆業をやっているセオドア(ホアキン・フェニックス)は、人工知能型の新しいOS(スカーレット・ヨハンソン)に恋をします。

ネタバレしています。

面白い映画だとは思うのですが感想のテンションはめっちゃ低いです。けなしているわけではありません。そのわりに長いです。おや?


おすすめ
ポイント
色使いやガジェットのデザインがよいです。
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サマンサに惹かれ始めたころのセオドアは、『彼女はいろんなことに興味を持っていてとても気さくで明るくて』みたいなノロケをかますんですね。

それで奥さん(ルーニー・マーラ)に『チッ』とか言われちゃうんだけどさ。『はいはい、わたしにもそれを求めてましたよね、わたしにはムリなのに』。彼女はずいぶん子供じみているな、とも思うのですが、彼らが幼なじみだったことを思えば、子供の頃から知っている人を相手に子供じみた態度を取るのもおかしくはなくて。

彼らは、不倫とか借金とか子供の問題とか、そういうのじゃなくって、恋が終わるように離婚していたような気がする。ごめんねわたし、ここらへんぼんやりしててちゃんと見てなかった。


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描かれている恋愛は、実際のところ、ふつうの(肉体のある)カップルとさほど変わらない。彼女はOSだけれども人間味があふれているし、嫉妬したり、彼のためにどうにか二人の距離を縮める方法を考えたりする。

デートも楽しそうだ。はたからみたらセオドアは不審者だが、あの世界観ならば同じようにブツブツつぶやいている人も多かろうし、実際そういう描写もあるし、あの世界での常識の範囲内だろうね。

サマンサは理想の彼女だ、身体がないことを除けば。自分を受け入れてくれるし、優しくささやいてくれる。


しかも、もともとは、ただでさえ依存してしまう便利なツールだ。便利で優しくてユーモアもあって、やろうと思えばセ ックスだって出来る。わがままも言わない。ご飯食べないからお金かからない。プレゼントを買う必要もない。そして、僕だけのものだ。彼女のすべての言動が、プログラムによるものであったとしても、ここまで人間に近ければ、彼にとってはもはや関係がない。

しかし彼女は違った。自分をもっと知りたい、いろいろなことを学びたい、あなたを愛しているわ、だけれど、愛はどんどんふくらんでいくもので、もう止めることは出来ない、いろんな人と話したいし、恋人はあなただけじゃないの。わかってちょうだい、…わからないかもしれないね、ごめんなさい、わたし、もう行かなくちゃ。わたしは、あなただけのものにはなれないわ、でも、あなたを一番愛している。

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あなたと居ても成長が出来ないから』という理由で別れるカップルはけっこういると思っています。

わたしはこれを聞くたび、ダラダラしてるだけだったら精神的な成長は出来ないだろうねって思うんだけど、精神的な成長を理由として人と別れたことがないので、実感としてはわからない。相手を自分の成長の糧とするようなことが、あまり理解できないのかも。

実際にはそういう関係が築かれていたかもしれないが、気づいてないだけか。まあ、自分のことはいい。


サマンサが旅立っていったのは、一般的な、肉体のある、人間同士の恋愛に置き換えるならば、この『あなたと居ても成長出来ない』なんだろうなあと思います。最初はつとめて人間らしくふるまおうとしていたサマンサが、『わたしはもう、何者かになろうなどというという無理はしない』と決める、わたしはわたしでいい。
だから、わたしである、ということを受け入れて欲しい、そう、わたしは人間じゃない。もっと大きな世界へ行くの。さようなら。

これをサマンサのわがままととらえるか? セオドアはわがままではなかったか? そもそも、恋愛はわがままとわがままのぶつかり合いではないのか? 相手の中に自分を見ていたり、『自分の思い通りになってほしい』とか。極端、『プレゼントを喜んで欲しい』『本当に相手のことを一番に考えている』でさえも、わたしはわがままのうちだと思ってる。
それはそれはもう、わたしたちが山ほど抱えている恋愛の悩みのあれやこれや、書き出してもキリがない。

これ以上、何を書いても恋愛についての話にしかならないし、映画の感想としては書き終わっているので、ここで、おわります。ホアキン・フェニックスの口ひげが気になって仕方ありませんでした。

photo
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