サード・パーソン/もう逢えない、あのひとへ。

サード・パーソン

サード・パーソンThird Person/監督:ポール・ハギス/2013年/イギリス、アメリカ、ドイツ、ベルギー


わたしはあなたを、守りたかった。


試写で鑑賞。公開は6月20日です。TOHOシネマズ日本橋、H8。スクリーンは失念。
ポール・ハギス監督作は「スリーデイズ」しか見ていないです。

サード・パーソン

あらすじ:3つの都市で男女があれこれします。

  • パリ:小説家(リーアム・ニーソン)と愛人(オリヴィア・ワイルド)がイチャイチャ
  • ニューヨーク:画家(ジェームズ・フランコ)と元妻(ミラ・クニス)が親権争い
  • ローマ:ビジネスマン(エイドリアン・ブロディ)が謎の女(モラン・アティアス)の娘を助けたい
となっております。

ネタバレしています。オチから書いているので気をつけて下さい。


感想というよりは解説に近いかもしれません。公式サイトに答えが載っているらしいのですが未読です。

おすすめ
ポイント
細かいところの意味付けや、いろいろな伏線とか、ちょっと引っ掛けみたいなのもあって、目が離せません。おすすめです。
サードパーソン

リーアム・ニーソンは、過去、電話に出て目を離したすきに息子をプールで溺死させているんですね。電話の相手は愛人です。

オリヴィア・ワイルドは『居ない人』なのかと思いましたが、リーアムの妻(キム・ベイシンガー)との電話で『誰と電話してたの?』と聞いたときのキムの反応を見ると、相手はオリヴィア・ワイルドなのだろうなと。


それは他の愛人であってオリヴィア・ワイルドじゃないかもしれないですが、流れを考えると彼女だと解釈するのが自然かなあ。

サード・パーソン

ミラ・クニスは情緒不安定で、人生の大切な局面においても遅刻したり電話がつながらなかったりで、息子に会わせてもらえない。ジェームズ・フランコは『息子を殺そうとした』と彼女を責めるわけです。

これはリーアムが、『自分が息子を殺してしまった』という罪の意識にさいなまれているからで、ミラ・クニスの息子が生きているのは、リーアムが『自分は責められることになったとしても構わないから、息子が生きていてくれたら良かったのに』と思っているからですね。


リーアムの心情をいちばんよく表しているのが、ミラ・クニスなのかなっと思います。中盤、位置関係を無視して、パリにミラ・クニスがいるシーンがあるんですね。ここがうまいなと思ったのは、あのシーンから怒涛の勢いで真相を明らかにしても良い流れなのに、そうはせず、彼女の物語のワンシーンとして扱っているところだと思います。

サードパーソン

エイドリアン・ブロディは、見知らぬ女の、いるかいないかも定かでない娘のためにお金を工面し、騙されているかもしれないと勘付きつつも離れることがない。子供のために支払う金額がどんどん跳ね上がっていって、もう無理だろうというところまで来ても、危険を犯してもかまわない。

リーアムも、息子のためになにかをしたかった。助けてやりたかった。いまとなっては叶わないことではあるけれども。


サードパーソン

リーアムは娘ほど歳の離れた女の子を愛することにより、『彼女を傷つける父親から』守っているということかもしれません。

それは『「息子を傷つけて(殺して)しまった父親である自分」から「息子を守る」』ことなのかも。オリヴィア・ワイルドの父親も彼女を守ろうとしている、しかし彼女はそれを嫌がっている。やりかたがよろしくないですからね。というのもありますが、リーアムは『死んだ息子が自分を拒絶している、憎んでいる』と受け取ってしまっているのかなと思います。


この映画には、ホテル、水、メモ、電話、『見てて』というセリフ、そして白が多用されています。

白の意味については、リーアムが小説に書きますのでわかりやすいですし、他の要素に関しても、リーアムの過去を表すものでしょう。メモだけはちょっとわかんない。あれは3つのお話をつなげるための小道具かもしれないし、わたしの見落としなのかもしれないです。キムとのやりとりでなにかあったかな。

わたしが一番混乱したところは、オリヴィア・ワイルドが、あのホテルに居たのかどうかです。最初は、居るんだと思っていました。が、ミラ・クニスのシーンとの繋がりがあることと、ラストで他の登場人物たちが消えていくなか、オリヴィア・ワイルドも消えていったので、居なかったのだろうと考えなおしました。

編集者が『これを出版したら彼女が傷つくんじゃないのか』みたいなことを言っていたのは、オリヴィアの近親相姦のことじゃなくて、キムのことかもしれないし、こういったこまごまとしたところについては、もう一度見てみないと、いろいろわからないかもですね。

photo
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by G-Tools , 2014/10/21

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公式サイト。原題:Third Person。ポール・ハギス監督。リーアム・ニーソン、オリヴィア・ワイルド、ミラ・クニス、エイドリアン・ブロディ、マリア・ベロ、ジェームズ・フランコ、キ ...
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