
グランドピアノ〜狙われた黒鍵〜GRAND PIANO/監督:エウヘニオ・ミラ/2013年/スペイン、アメリカ
イライジャ・ウッドがずっと困り顔でピアノを弾いています。
試写会で鑑賞。ショウゲート試写室でした。公開は2014年3月8日です。予告を見て面白そうだなあと思って見に行きましたよ。そしたらねーこれは面白かったですね。

あらすじ:1音でも間違えたら殺されます。
超難曲をミスったせいで舞台恐怖症になって引きこもってたピアニスト(イライジャ・ウッド)が、恩師の追悼コンサートに出ることになっちゃったんだけど、いざピアノの前に座って楽譜をめくったら『一音でも間違えたら殺す』という脅しが書いてあって、あらどうしましょうというお話です。
※ネタバレはありません。
(c)NOSTROMO PICTURES SL / NOSTROMO CANARIAS 1 AIE / TELEFONICA PRODUCCIONES SLU / ANTENA3 FILMS SLU 2013
- おすすめ
ポイント - 演奏曲と役者の動きとセリフとシチュエーションが完璧に合ってて良かったです。イライジャ・ウッド困り顔の安定感すごい。

大変良かったのは、おすすめポイントにも書きましたとおり、楽曲と役者のセリフ、動き、状況が完璧に一致しているんですね。曲がまた、サスペンス要素を否応なく盛り上げてくる。コンサート中の物語であるので、音楽自体は『コンサートで演奏されている曲』が流れているわけです。これ音をあとから入れるのはムリだろうと思ってプレスを見たら、やはり、最初に音楽から作られていたようです。
物語の鍵となる「ラ・シンケッテ」という難曲は、物語中では世界でイライジャ・ウッドしか弾けない演奏不可能な曲とされており、監督が作曲したもので、実際弾くのが無理な部分があるらしい。

イライジャ・ウッドはピアノを弾きつつもなんとか助けを呼ぼうとする。演奏はやめらんない。しょうがないので、あれこれコソコソしたり、しゃべったり、自分のパートが終わったら突然席を立ってどっか行っちゃったりするわけです。んで戻ってきてまた弾きだす。もう、完全に挙動不審な人。観客もざわつきますわ。
このあたりのアタフタ感は見ていて非常に面白いです。笑っちゃうよ。曲に合わせて、どっかから見張ってる犯人(ジョン・キューザック)にバレないようあれこれするんだよ。

犯人の目的は超シンプルで、具体的な人物像はあまり見えてこないものの、映画として致命的というわけでもないですね。だいぶまぬけなところもあって、やっぱり笑っちゃうよ。
あとねー、イライジャ・ウッドの友達カップルが、ほんっとうに超バカでさ。しかしそのバカさゆえにちょびっと役に立ったりするところ面白かったなー。
ラストはかなり潔くバツっと終わるんで面食らいました。ただ、あれの行く末をグダグダやられても蛇足と思いますので、わたしはね、いいとおもいます。
この映画は、監督がやりたかったことが明確にわかるんだよね、繰り返しになりますけれども、音楽と状況を完全一致させたいっていうの。やりたいことがはっきりしていて、それをしっかり出来ているっていうのは素晴らしいことだとおもいますね。