ダーク・シャドウ/解けない呪い、叶わぬ愛

ダーク・シャドウ/Dark Shadows

ダーク・シャドウDark Shadows/監督:ティム・バートン/2012年/アメリカ


ぼくらのティム・バートンがひとまわりおかしくなって帰ってきた!…ような気がする…


ちょっと弱気なかんじの見出しで。わたしティム・バートンがすごく好きだったんです、今はそうでもないんですけれど、以前はすごく好きでした。「アリス・イン・ワンダーランド」以外の監督作は全部見ているんです。
今回はスピルバーグのときみたいに復習したわけではないので、見たけれど覚えていない作品とかもありますけれども(ですからこれから書くことには自信がもてないんですが)、まあ、ちょっとぶちまけてみますよ。

ダーク・シャドウ/Dark Shadows

あらすじ:200年ぶりに蘇ってみたら、一族が没落していました。

コリンズ家当主バーナバス(ジョニー・デップ)は、火遊び程度に手を出した使用人のアンジェリーク(エヴァ・グリーン)に呪いをかけられ、ヴァンパイアになってしまった。200年ぶりに蘇ってみたところ、コリンズ家は見る影もなく没落しており…。

ネタバレしています。


おすすめ
ポイント
これはね賛否分かれそう。予告のかんじとけっこう違います。いびつさがはんぱない。
前世紀のティム・バートンが好きな方に(全盛期でなくて。っていうか全盛期っていつ?)。
マーズアタック

ティム・バートンはプライベートの出来事にものすごく作風が左右される人だと思っていて、恋人を映画に出しまくることからしてそうだと思うんだけれど、特に2001年にリサ・マリーと別れヘレナ・ボナム=カーターと付き合い始めてからは、作品のテーマが『家族が大事』みたいになってきて。子供も生まれたしね。

わたしそれでも「ビッグ・フィッシュ」大好きだし、「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」は血がブーブー出るからいいと思っているんだけれど、たとえば「バットマン リターンズ」にはあった、愛されぬ者の悲哀とかって、もう、ここ10年くらいのティム・バートンには、なかったのよ。ぜんぜん。


ダーク・シャドウ/Dark Shadows

それが今回「ダーク・シャドウ」で、「シザーハンズ」的な『風変わりなよそ者が小さな町で人々に受け入れられ、そして排除されていく』っていう要素があったり、登場シーンにうっすら感じる「ビートルジュース」っぽさとか、このかんじ知ってる! って思ったのね。

しかもアンジェリーク(エヴァ・グリーン)がさ、かつてのリサ・マリーを彷彿とさせる風貌じゃないですか。リサ・マリーっぽい元カノって…残酷! もしくは自虐! って思っちゃいません? 「愛はないけど身体は正直なのである」とか言っちゃうんですよ、元カノに向かって。わ、わー!


ダーク・シャドウ/Dark Shadows

今回おそらくはじめてティム・バートンがラブシーンを描いたんですよ、まーあれがまともなセックスかって言うとそれはどうだろう、照れなのかなんなのかわからないが、ともかくラブシーンをやったと。内気で暗い童貞青年ってかんじだったティム・バートンが、やっとおとなになりましたよお母さん! ばんじゃい!

そしてなによりビックリしたのは、しょっぱなに「家族のために戦う!」とか言っていたのにもかかわらず、最終的に家族が崩壊してしまうというところでですね。すごい! っていうか、どうした?! なんかあったのか? 子供捨てる描写もあるし、ヘレナ・ボナム=カーター沈めちゃうし、あの、ティムさん、なにかありましたかね…?


ダーク・シャドウ/Dark Shadows

家族ほったらかしでヴィクトリア(ベラ・ヒースコート)とくっつくけれども、そもそもヴィクトリアとの恋愛模様についてもろくに描写がなく(途中まったく出てこないくらいだし)、めっちゃぞんざいなんですよ、愛についてが。

呪いもね、解けたって言ってますけれど、解けてないと思うの。ヴィクトリアが人間として死なずに済んだというだけなわけ。バーナバスもヴァンパイアのままだし…というか、わたし、ラストはヴィクトリアが死んで終わりでも良かったと思うんですーよー。結局なーんにも残らなかったっていうの。


ダーク・シャドウ/Dark Shadows

その一方で、アンジェリークの愛に関してはコッテリ描いている。心臓差し出すところとか、わたしちょっと泣いたよ。あそこまでして…あそこまでしている人に向かって「お前はわたしを愛しているわけはない」ってキッパリ言い放ったりして、やっぱヒドイ…。

アンジェリークからバーナバスへの愛は一方的かもしれないが、バーナバスからヴィクトリアへの愛もたいがい一方的だと思うのよね。


あとねあとね、やっぱりね、お家が燃える映画はいい映画だと思うしさ。ほんとストーリーとしてはかなりしっちゃかめっちゃかだし、描ききれていないところもたっぷりあるように思うんですけれども、かつてのティム・バートンを思い出させてくれた上に新しいこともやっていて、わたしはとっても満足でしたよ。


photo
【初回限定生産】ダーク・シャドウ ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2012-10-03
評価

by G-Tools , 2012/07/19

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Data 原題 DARK SHADOWS 監督 ティム・バートン 出演 ジョニー・デップ  ミシェル・ファイファー  ヘレナ・ボナム=カーター  エヴァ・グリーン  クロエ・グレース・モレッツ 公開 2012年 5月
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