猿の惑星:創世記(ジェネシス)/猿の惑星・反抗期

Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

猿の惑星: 創世記Rise of the Planet of the Apes/監督:ルパート・ワイアット/2011年/アメリカ


賢く生まれてしまったチンパンジーの、自我の目覚めと反抗期。


猿の惑星」シリーズをすべて予習して臨みました、「猿の惑星:創世記」。チラシの煽り文句(「泣ける『猿の惑星』」)に批判が集まっておりましたが、というかわたしも、なんだこれ…と思ったクチですが、見終わってみると、うーんどうなんだろう、うーん、もう、泣ける/泣けない、の話ではないんですよね。ていうかそもそも「猿の惑星」自体が悲しい話だしなー。チラシのことは忘れましょう。忘れます。ごめんね。

この映画はね、おもしろかったです。すごーくおもしろかったんですが、「猿の惑星」シリーズをすべて予習してしまったがばっかりにどうしても気になってしまう部分があったんです。今回はその気になった部分のところだけ書きますので、批判しているっぽく読めると思いますが、でも、おもしろかったんですよ。

Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

あらすじ:賢い猿が偶然生まれました。

製薬会社に勤めるウィル(ジェームズ・フランコ)は新薬の開発をしており、チンパンジーを使って実験しています。で、いろいろあって、偶然にも、賢い猿が生まれます。ウィルは猿にシーザー(アンディ・サーキス)と名付け、家族のように暮らしていました。

シーザーっていうのは「猿の惑星・征服」と「最後の猿の惑星」に出てきた、コーネリアスの息子の名前なんですね。で、わたし聞き逃したかもしれないですが、シーザーの母親の名前はジーラだったのかなあ?

ネタバレしています。


おすすめ
ポイント
「猿の惑星」シリーズを見たことがないのなら、ないままでこの映画を見たほうがいいかと思います。他のシリーズとテーマが若干違うので。ゴリラががんばるよ!
Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

シーザーは霊長類保護施設のチンパンジーやゴリラやオランウータンたちを先導していくのだけれど、彼がそこに至る理由が乏しいんですね。

まあたしかに、施設内の虐待はありますが、餌ももらえていますし、なによりシーザーには帰る家があるわけです。帰れるタイミングがあったの。で、なんだろうな、なぜシーザーはウィルに背を向けるのだろうな、と考えていたら、あ、そうか、反抗期か、と、それで腑に落ちた感じがします。

シーザーは、家にいる時から反抗期っぽいそぶりをみせています。


Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

でもそれは、自我の目覚めによって生まれた「自分は何者であるのか」という問い、首輪をつけられペットのように(=子供以下として)扱われることへの不満とか、お父さんとお母さんがイチャイチャしていてキモイ(もしくは、仲間はずれ寂しい)とか、人間の家庭内で起こりうる反抗の範囲内のことでした。

それが、本人に悪意があったのかなかったのかを問わず他人を傷つけたために罰せられ、親から引き離され、同種の仲間たちと接し、虐待を受け、人間を敵と認識することにより、社会性を伴った反抗へ変化していったんですね。そして『理解者』と決別し、自らが作った社会へと身を投じていくんです。


Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

どうしても、やや話が近い「猿の惑星・征服」と比較してしまい…。虐待の程度も「征服」のほうがひどかったですし、人間との関わり方も「征服」のほうが良かったんです。わたしは「征服」がすごく好きなので、切り離して考えるのにとても苦労しました。というか、いまだに切り離せないです。困った。

製薬会社社長スティーヴン(デヴィッド・オイェロウォ)があまりにもテンプレ的で何もないキャラクターすぎてちょっとね。あの役に黒人を配置することの意味を、「猿の惑星」に黒人を出す意味を持たせて欲しい…。この映画が「猿の惑星」ではないのなら、これでも良かったんですが…。


Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

そう、つまり、この映画は「猿の惑星」とは言いがたいと思うんです。今までのシリーズで描かれ続けてきた人種差別、奴隷問題の部分がない、というか、テーマがちょっと違うように感じるからなんです。それに、今後のゴリラとチンパンジーとの関係を思うと、ゴリラはガマンせず人を殺すべきだったとも思うんです。

猿の惑星」だったら、やはり奴隷問題に触れて欲しいし、ゴリラとチンパンジーの考え方に違いが表れていって欲しいですから、ここらへんに関しては、次回作に期待したいですね。


Rise of the Planet of the Apes/猿の惑星:創世記(ジェネシス)

これだけはしつこく言っておきたいんですが、本当におもしろいんです。あれこれ書きましたが、それでも、この映画を「つまらない」と言うような感想は見たくないんです。自分が言っていることがちょっとおかしいと思いますけれど、映画としてはおもしろい」「今までの『猿の惑星』とは違う、という2つが一緒になっちゃって、困っているんですよ…。


それからね、ウィルのお父さん(ジョン・リスゴー)がね、めっちゃくちゃかわいかった。もう、とんでもなくかわいかった。これは「おじいちゃん映画」のほうでこってり書きます。いろいろと思うところはあれども、おじいちゃんがかわいかったので全部良し! ゴリラががんばってたのも良かった! 何度も言いますけれど、ほんとうに、映画としてはおもしろかったです。

photo
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2012-02-22
評価

by G-Tools , 2012/01/13

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