日輪の遺産/マッカーサーの財宝、200兆円のゆくえ

日輪の遺産

日輪の遺産The Legacy of the Sun/監督:佐々部清/2011年/日本


マッカーサーの財宝を女学生がこそこそ隠します。


浅田次郎の小説が原作ですが、未読です。なんだか現代パートの設定がだいぶ違うみたいです。
最近、邦画の感想書くのむずかしいなーこわいなーと思っていて、なんかもう邦画は見るのもやだなーとも思っていたんですけれども、それでも見て書いているわたしのチャレンジングな姿勢をですね…。

でね、ものすごいものが見られるかも! とわくわくして見ていたのですが、テレビで放映できるレベルに抑えられていて…。うーん。マッカーサーの資産って、詐欺でも使われたM資金ですね、ネタとしては面白いのにこんなことになっちゃってて残念だなあ。

というわけで、今回褒めてません。原作を読むつもりもないので、そこんとこほんとよろしくお願いしますよ。

日輪の遺産

あらすじ:おじいちゃんが死んだので、おばあちゃんが昔話をします。

おじいちゃん(八名信夫)が死んだので、おばあちゃん(八千草薫)は、孫(麻生久美子)と孫の婚約者(塩谷瞬)に、戦中戦後の話をしはじめます。それは、おばあちゃんが今までずっと隠してきた秘密でした。

※おおまかなストーリーはネタバレしています。


おすすめ
ポイント
中村獅童がおじいちゃんになると八名信夫になるんだよ! 超そっくり!
ポツダム宣言受諾まぢかの日本。このままでは戦争が終わるので、マッカーサーの財宝を盗んで戦後復興資金として隠しておこうということになります。

この極秘任務をまかされたのは、真柴(堺雅人)、小泉(福士誠治)、望月(中村獅童)の3人と、12〜13歳の20人の少女たち、そして教師の野口(ユースケ・サンタマリア)。
少女らと教師は、自分たちが工場に隠しているものの正体を知りません。武器だと言われているんですね。この武器でアメリカを倒すんだと思い込まされている。
教師の野口は平和主義者なので、少女たちもその影響を受けているわけです。軍人に向かって「戦争に負けてもいいんじゃないですか」とか言ったりする。

いやー、どうでしょうこれ。そういうふうに思っている、っていうところまでならまだわからなくもないのですが、軍人相手に「戦争に負けたっていい、戦争をしてはいけない」なんて、この時代で言えるでしょうかねえ。殺されちゃうよ。
ともかく、軍人3人と少女たちとのふれあいがありつつ財宝を隠しつつ、ポツダム宣言はどうなるんだろうとひやひやしたりするんですね。

そうしているうち戦争は終わり、財宝も無事隠せましたので、ほっと一安心と思っておりましたところ、上層部から3人にまさかの命令がくだされるわけです。

この命令の内容をね、知ったとき、わたしは盛り上がりましたよ。どーんとやってくれ! と思いました。すごい期待しましたよ。今か今かと待ち望んだわけです。そうしたら、その肝心のシーンはですね、画面に映らないんですね。こんなの絶対おかしいよ…。
あのね、出来事としてはすごい悲惨なわけです。その悲惨な様子を見せてくださいよって思うの。そうじゃないと伝わってこないの。

20人の少女たちが青酸カリを飲んで苦しみながら死んでいく様子と、堺雅人がウギョエーッって泣いている顔とだったら、前者のほうが見たいわけ、それはもうね。しかもユースケ・サンタマリアが死ぬところも映さないんですよ。なにそれー。ばかー。ちゃんとやって。ユースケをサンタマリアしてちょうだい!

だから、戦争映画なのに人がぜんぜん死なない、みたいになっちゃっている。死にはしますよ、切腹もありますけれど、それは軍人だけなんでね。
でね、平和主義の登場人物がね、自害してしまう、お国のためにね。これはさ、その人の思想としては噛み合わないんじゃないですか? しかもそうまでして守ったものが、最終的に国のために使われないのですから気の毒というか犬死にというか…。
もういっそ別に無理して平和主義にしなくてもいいんじゃないのかって思うんですけれどもねえ…。

それから、まるで戦後の日本がどうなっていくのかわかっているような物言いをするところがけっこうあるんですね。それはさ、そりゃわたしたちは知っているけれども、戦時中にはわからなかったこと、想像もできなかったことだろうとも思うんです。そういうのはちょっとね…。平和主義の件もそうですけれど、どうも今の時代に合わせようとしすぎなんじゃないかなあと思いました。映画が伝えようとしていることと、人物設計との間に齟齬があるというか。あとね、まだあるんですけれど、おばあちゃんは孫を連れて財宝を隠した場所へ行くんですね。
そうしたら、そこでみんなの霊を見るんです。それがさ、おばあちゃんにだけ見えるんならわかりますけれど、その場にいる人全員に見えちゃうの。えー! なにそれー! ここはほんとポカンとしました。

そんなこんなで、なんだかおかしな映画でした。終わりそうでぜんぜん終わらないしね。

ところで、この映画の完成披露試写会で監督が「日本にとって栄養剤になる作品」とおっしゃったんけれども、あの、映画の中で青酸カリのことを栄養剤だと偽ってましたよね?! 
わはは。殺す気か! 監督のこの発言が一番面白かったです。

photo
日輪の遺産 特別版 Blu-ray
角川書店 2012-01-20

by G-Tools , 2013/06/20

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試写会が当たったので行ってきました。ワタクシは日本の現代作家の作品をほとんど読まないので、この作品も原作は読んでいません。なので、原作を読んだ方とはまた違う感想になると思います。太平洋戦争集結間近のころ、軍の秘密の命令を受け、近衛第一師団・真柴少佐堺
  • シネマ日記
  • 2011/08/30 11:20 AM
浅田次郎著の同名小説を『半落ち』の佐々部清監督が映画化した作品です。 原作は未読のままチャレンジしてみました。 第二次世界大戦の終戦直前に、極秘任務を命じられた軍人たちと20人の少女たちを待っていた 過酷な運命に胸をつかれました。
  • とりあえず、コメントです
  • 2011/08/31 10:43 PM
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