ゴッド・アンド・モンスター/謎の死を遂げた映画監督の物語

ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)

ゴッド・アンド・モンスターGODS AND MONSTERS/監督:ビル・コンドン/1998年/アメリカ


イアン・マッケランがブレンダン・フレイザーにはふはふします。


謎の死を遂げたゲイの映画監督、ジェイムズ・ホエールを、実際にゲイをカミングアウトしているイアン・マッケランが演じています。

あらすじ:「フランケンシュタイン」などで一世を風靡した映画監督、ジェイムズ・ホエール。引退生活を送る彼の前に、若くたくましい庭師のクレイトン・ブーンが現れた。

ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)おじいちゃんです。イアン・マッケラン。ゲイです。監督業を引退し、お手伝いさんのハンナ(リン・レッドグレイヴ)と二人で暮らしています。脳卒中で倒れてしまい、こないだまで入院していました。映画業界からはすっかり引退し、なんとなく絵とか描いて暮らしています。

おじいちゃんは入院以来、ひんぱんに幻覚を見るようになってしまいました。年を取ると昔のことばっかり思い出すんです。はあ…。
おすすめ
ポイント
イアン・マッケランがいやらしい! ブレンダン・フレイザーのいい身体!
ホモフォビアじゃないならおすすめです。
ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)庭師です。ブレンダン・フレイザー。ヘテロです。マッチョです。芝刈り機をぶるるん! と動かすわけです。その様子を見て、おじいちゃんもうっとりです。

いやあ、やっぱりブレンダン・フレイザーは『婿にしたい俳優ナンバーワン』ですね。もうね、安心して頼れるかんじがたまりませんね。この人だけは、ぜったい私生活もいい人に違いないと思ってしまいます。
ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)おじいちゃんは、自分のファンである恐怖映画マニアの学生が取材にきたとき、「質問に答えてほしかったら服を一枚ずつ脱ぎたまえ」などと言うのです。おい、こら、じじい。

お手伝いさんのハンナはたぶんこういうのばっかり見てきてて、脳卒中の原因もそれがらみっぽいし、そのせいでおじいちゃんにちょっと冷たいっていうか口うるさいんだと思うんですよね。ほんとは冷たくないんだけど。
ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)おじいちゃんは庭師に「絵のモデルをしてくれないかね」と頼みます。庭師はお金ほしさに引き受けてから、おじいちゃんが元映画監督と知ってちょっと浮き足立つんですね。

友達にからかわれても、おじいちゃんのことをかばったりする。老人に性欲なんかないとか言ったりする。おじいちゃんがどういう人かよく知らないのに、映画監督だったからっていうだけでいい人だと決めてしまう。
おじいちゃんが監督した映画をみんなで見ながら、仲間内でひとりだけ好意的な受け取り方をする。
まあこういうことはよくあります。庭師は素直なんですよ、「なんかわかんないけど映画監督ってスゲー」と思ってるんです、きっと。
で、おじいちゃんは庭師をちょいちょいかまったりするわけですが、口説いているのか? というとそうでもない。セクハラめいたこと言って怒らせたり、いきなり態度が変わって混乱させたりはします。ゲイ同士だったら別にそれもただの駆け引きなんですけれど、そうじゃないうえにおじいちゃんは普通に体調が悪いので、見ててハラハラしてくるよ。庭師が怒って出てっちゃったあと、おじいちゃんは外のプールを「はあー昔はよかったのじゃ…」といったようすで見てんですよ。もうね、やなことあったら即思い出に逃げるの。

庭師はある日、自分の悩みについておじいちゃんに告白するんですけれども、おじいちゃんから思いがけない言葉をもって受け入れられるんですね。それで救われた気持ちになる。今まで誰にも話せなかった、たぶん庭師のまわりには、彼の心の傷を理解できるような人がいなかった。で、庭師は、よーし、おじいちゃんのことも受け入れよう! と(いや、そんなに気張ってたわけじゃないんだけれども)思ってですね、ある行動に出る。
僕が嫌なことを忘れさせてあげましょう」とばかりにですね、立ち上がるわけです。あらあら。

ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)映画の中で、「フランケンシュタイン」を再現したシーンが何度も流れます。これがねーすごいよく出来てる、オリジナルそっくりに作ってある。

でも、この映画の中で流れると、もとの映画とまったく違う意味に思えるんですよね。
ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)クライマックスは悲しいですよね、もうね、なんだろ、おじいちゃんはさ、世間をあきらめたような顔をして優雅に暮らしているふうを装っているわけです。

たぶんね、独身老人の生活としては最高なんじゃないですか、お手伝いさんがいてなんでもやってくれて、たまに誰かが来て、好きなことして暮らしているっていうのは。自分を慕ってくる若者もいて、まあ若者らしい無礼さもあるにせよ悪い気はしないわけで。
ゴッド・アンド・モンスター(GODS AND MONSTERS)でも、現実の中にどんどん過去が迫ってくる、食い込んできてしまう、忘れたいことも忘れたくないことも全部押し寄せてくるわけです。

自分が一番良かったときの、あの場所にも、もう居場所はないんです。失った美しい過去も、栄光の日々の思い出も、一番つらい記憶も、乗り越えたり消化していく精神力がもうない。それで、すっかり混乱してしまうんですね。ああ、もうだめだ。なにをやっているのかぜんぜんわからん。もうだめだもうだめだ。
錯乱していたんだろうと思うんですが、それでも最後に見た風景があれであったなら、少しは救われたのかもしれないと思います。くすん。

ラスト、庭師がフランケンシュタインの真似をして道路を歩くシーンは、ブレンダン・フレイザーが監督に提案したものだそうです。あのラストは実にいいですねえ、庭師がおじいちゃんのことを理解して、受け入れているんだなあっていうのが伝わってきますよね。いい映画でした。おじいちゃん…。

photo
ゴッド・アンド・モンスター [DVD]
ビル・コンドン
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評価

by G-Tools , 2011/08/10

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