ムカデ人間The Human Centipede (First Sequence)/監督:トム・シックス/2009年/オランダ
2010年11月に洋盤DVDで見ています。この映画で描かれていることは、たったひとつ。
それは「人間の口と肛門を繋げてムカデ人間作ったら、おもしろいよね!」
なんという思いつき! なんという無謀な試み! なんという頭の悪さ!
よくわかる図解。
膝のお皿を取っちゃうので、立つことはできません。こんなスットコドッコイなことを思いついたのは誰ですか? おかあさん怒らないから正直に言いなさい。
- おすすめ
ポイント - きちがい先生(ディーター・ラーザー)と、日本人俳優(北村昭博)が素晴らしいです。
ほんとにおもしろくって超おすすめ。痛くないしグロくないからみんなにおすすめ。
それは私です!
いいでしょ、この白衣。特注なんですよ。私ね、もともとシャム双生児の分離手術とかしてた医者なんですが、もうね、分離飽きた。むしろくっつけたい。クリエイティブなことがしたい。最初は犬でやってみたんだけど、死んじゃってね。がっかりなんです。
そのあとも人間つかまえてきては地下に閉じ込めていたんだけど、なかなかね、いい材料が入らなくって。サイズ合わないとかさ。しょうがないから安楽死させたりして。ひとりでやるには結構たいへんなのよ。
でもね、私諦めない。だって夢だもの。人生かけてるもの。ああ、人間くっつけたい。
ムカデ人間作りたいよぉ〜!
そしたら道に迷った女2人が家に来たの。飛んで火に入る。ねー。ちょうどいいからもう1人捕まえてきて、繋げてみました。さっきも言ったけど、私ぜぇんぶひとりでやってるからね、いろいろ大変なんですよ。そのへんは汲んでいただきたい。
でも…とうとう長年の夢だったムカデ人間が!
完成するぞー!
「はい! 起きて起きて! はい! 君たちは〜今日からムカデ人間! ばんじゃーい!」
きちがい先生(ディーター・ラーザー)、ムカデ人間が完成した喜びに打ち震え、感極まって泣いちゃったりします。すごくいい! とにかくこのきちがい先生の顔がすばらしいのだよ〜。ぎょろっとした目と、適度に痩せた身体と、おもしろい表情。たまりません!
「はい! 新聞運んでみようね〜! あれ? なんでちゃんとできないのこの子は!」
一番前は、よくしゃべる(しかし日本語しか話さない)日本人男性(北村昭博)。新聞紙を運ばされたりします。女の子たちはわめいているだけなので、彼を先頭にして正解でしょう。
彼はベッドに寝かされているときからもう最高で、「ソーセージでも食ってろ!」「火事場の馬鹿力や!」などと騒いでいます。きちがい先生がムカデ人間の作り方を説明しているシーンとかでも、彼がぎゃあぎゃあ叫んでいてそれがいちいちおもしろいので、笑っちゃって先生の話がぜんぜん頭に入ってこないのだ! でも図解があるから大丈夫。それに先生、たいしたこと言ってないし…。これね言葉がわかるぶん、日本人が見ると余計おもしろいと思うなあ。
一番前だけごはんを食べさせてもらえる、つまり…
「あぁっ! 出る! ごめ、ごめん!」
後ろの人はフガフガ言いながら、自分の身に起こったことすべてを受け入れる以外選択肢がないわけです。
ああ、あんまり具体的に想像したくないですね、やめましょう。しかしこれ、どう考えても後ろのほうにいくにつれて栄養が足りなくなりますよね。実際そうなるんですけど、なんつうかこう、先生、やっぱこの計画だめだわ。もうちょっと考えないとだめだわ。
これは超すばらしい。超あほ。超きちがい。とにかく先生のきちがいっぷりがたまりません。いい顔だよ。
手術シーンも別にグロくはないですし、痛そう! っていうのはないからそういうのが苦手な方にも大丈夫。うんこもね、映らないから大丈夫。だいたい大丈夫。おすすめです!
ここまでが2010年11月に書いた感想です。感想じゃないね、これね…。もう少し書きますと、この映画はマッドサイエンティストの狂った実験と監禁ってことで、ホラー映画としては目新しくないんです、実は特別変わったこともしていないんです。これはもう、「ムカデ人間をつくる」という素っ頓狂なアイデアがありますんで、これ以上ぐだぐだいじらないほうがいい、アイデア一発で勝負できるから余計な味付けはいらんということです。
で、重要なのが、どういうキャラクターを配置するかになるんですよね。きちがい先生は恐ろしいほどのキャラ立ちっぷりで完璧ですし、先頭の日本人も負けず劣らず元気に歯向かっておるわけです。おっ、いきがいいねえ! がんばれよ! 日本人にくっついてるのは2人ともアメリカ人で、言葉がいっさい通じないので、お互い全く意思の疎通が図れない、それでもがんばって伝えようとするときの「みぎッ! ひだりッ!」がもう必死過ぎてすごい好きですね。
サウスパークで、「ムカデ人間」のパロディ回がありました。タイトルは「HUMANCENTiPAD (Season 15, Episode 1)」埋め込みできないのでテキストリンクで。おはなしは、カイルが利用規約を読まずに同意したせいでアップル社にとらえられ、ムカデ人間に改造されてしまうというものです。HUMANCENTiPAD、最新のiPadです。先頭は日本語英語をしゃべる日本人。
ちなみに、「人間ムカデ」はAVですのでお間違えなきよう…。
こっちが本物。